ロンドン留学の日々

イギリス・ロンドンの生活、文化、基礎知識を綴ります。留学・ワーキングホリデー・移住。

英国各地の訛りを映画で学ぶ

スコットランドはエジンバラの若者にスポットを当てた映画「トレインスポッティング」の続編が、2017年4月に日本でも公開になります。初作が発表された20年前から何度も見直して、スコティッシュ・アクセントを聞き取れるようになった人もいるのではないでしょうか。

北アイルランド、ウェールズ、スコットランド、そしてイングランドでも地域によって全く違うそれぞれの英語のアクセントに誇りを持つ英国の人は、別の都市に引越しても、周りの人に合わせて訛りを変えたり隠したりはしません。

話し方はアイデンティティを表すひとつの手段だからです。そのような人たちが自分の地元を舞台にした映画を見れば、俳優の下手なアクセントには文句を言い、上手な人には「なかなか良い」と控えめな賞賛を送ります。

イギリスで暮らすようになれば、アメリカ人の話す英語に違和感を覚えるようになるかもしれません。また、自分の過ごした地域のアクセントには愛着が湧いてくるでしょう。

留学が決まったら、向かう先のアクセントに慣れておくと良いかもしれません。語学学校の先生はある程度スタンダードなアクセントで話してくれると思いますが、特に独特の訛りがあるエリアでは、スーパーマーケットやパブで地元の人との会話を楽しむには、やはりアクセントの習得がかなり役に立ちます。

留学前でも留学中でも、また日本に帰った後で現地の生活を懐かしむうえでも、住民の話し方や街の雰囲気を忠実に再現したイギリス映画が便利になりますので、各地の訛りが顕著な映画をいくつかご紹介します。

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スコットランド/エジンバラ

スコットランドの首都エジンバラが舞台の「トレインスポッティング」の主な出演者のうち、ジョニー・リー・ミラー以外は全員スコットランド人でしたが、アクセントの指導者を付けずに撮影に挑んだミラーを、全撮影終了後にロンドンのアクセントで話し出すまでスコットランド人だと思っていた共演者もいたそうです。

共演者に気付かれないというのはかなりの腕前だと思いますが、新作ではもっと上を目指してコーチの指導を受けたというミラーのスコットランド訛りは、現地に暮らさない外国人には完璧に聞こえることでしょう。

ボキャブラリーの違いはいちいち克服するしかありませんが、母音の強調や「シュ」に近い「S」、イングランドでは飛ばされる「R」の巻き舌気味発音(舌を上顎に触れる)など、ちょっとしたパターンの習得で、耳が慣れて理解力が上がるかもしれません。

スコットランド/グラスゴー

さて「トレインスポッティング」でいわゆる「スコティッシュ・アクセント」の聞き取りに自信が付いたところで、最大の都市グラスゴーのアクセント、グラズウィジァン(Glaswegian)に触れてみてはいかがでしょう。

筆者はスカーレット・ヨハンソン主演の「アンダー・ザ・スキン(Under The Skin)」、ケン・ローチ監督の「スウィート・シックスティーン(Sweet Sixteen)」といった映画を見ましたが、特に後者は一緒に見たイングランド人も、耳にしてから数秒後に意味がわかったり(単語が違うのではなく、発音が違うため気がつくのに時差があるようです)何度か再生を中断して聞き直さなければならなかったりと、なかなか苦戦していたようです。

ほとんど同じ緯度を西に向かっただけでエジンバラの「トレインスポッティング」がとてもわかり易く思えることから、スコットランドの訛りを「スコティッシュ・アクセント」とひとつにまとめることはできないのだなと感じます。

イングランド北部

ジョーディ(Geordie)と言われる北東部ニューカッスルのアクセントが聞けるのは「リトル・ダンサー(Billy Elliot)」。スコットランドに近いので、発音が割りと似ているようです。

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北西部、リバプールやマンチェスターのスカウス(scouse)系は、フットボール・マンUファンならチェック済みかもしれない「リトル・ストライカー(There’s Only One Jimmy Grimble)」の他、音楽系のドキュメンタリー映画が手に入りやすいでしょう。

リバプール出身のザ・ビートルズは、バンド時代初期は皆純粋なスカウス(北西部訛り)を話していましたし、2002年の「24 Hour Party People」、2007年の「Control」といったマンチェスター周辺の音楽シーンを追ったドキュメンタリーや伝記的作品は、文字に起こされたミュージシャンの口調では伝わらない、飾らない話し方を聞くことができます。

ヨークシャー~イングランド中部

ヨークシャー、イースト・ミッドランズのタイク(tyke)は、シェフィールドをベースにしたブラック・コメディ「フォー・ライオンズ(Four Lions)」の他、1997年の「フル・モンティ(The Full Monty)」で、生活保護受給のための行列など現地の人が「ああこれがヨークシャーだわ」と残念そうに納得するヨークシャーの空気感を体験できるでしょう。「ザ・ブラザーズ・グリムズビー(Grimsby)」はアメリカ人のサーシャ・バロン・コーエンが主演ですが、得意な訛りのスキルを披露しています。

また、イギリスの歴史を感じさせるビジュアルが好きだけれど「プライドと偏見(Pride & Prejudice)」のように、カチコチの容認発音=RP(こちらのページ参照)に溢れていないものを見たい人は、「嵐が丘(Withering Heights)」の2011年のリメイク版がお薦めです。

ロンドン

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イギリス南部は、北部よりもいわゆる「標準語」に近い形で聞こえるでしょう。

アメリカのドラマなどでイギリス人キャラクターが登場すると、だいたいBBC発音(BBCのブロードキャスターのアクセント)で「イギリス人ぽさ」を強調するようですが、BBCも現在では様々なアクセントのキャスターを採用しています。

映画界で特にポートレイトされるのは、ロンドン(特に東部)のアクセントでしょうか。

筆者はロンドンでしか暮らしたことがありませんが、ウェストロンドンからイーストに引越して最初は戸惑いました。

東ロンドンの有名なコックニーアクセントについて調べると、韻を踏んだ別の言葉を使う独特のボキャブラリーについての情報はよくあるものの、それをいくつか覚えたところで、実際には隠語のようなコックニーの言葉遣いをする人はほとんどいません。

その代わり、単純に発音が違うことに惑わされるのです。例えば家に来たプラマー(配管工)やお隣さんの挨拶(らしきもの)など、分かるはずのことが聞き取れない、といった具合です。

イーストロンドンの人と話すと、「T」を抜かしてスタッカートにする、単語の初まりの「H」を発音しない、「エイ」を期待するところが「アイ」に近くなる、「TH」を「F」または「V」と発音する、といった特長に気付くでしょう。例えば「water」が「ウォ・アー」に、「hungry」が「アングリー」に、「Spain」が「スパイン」に、「together」が「トゥギャヴァー」、「teeth」が「ティーフ」といった具合です。

そもそも同じ言葉で発音が違うだけのはずなのですが、ツイッターなどインターネットで人々が気軽に話し言葉でタイピングする時代になってからは、実際に「F」「V」で綴られているのをよく目にします。

またはニュースのヘッドラインなどで、イーストロンドン出身のセレブリティの発言を書き記した場合などにも、わざと発音された通りに表記することもあります。

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コックニーアクセントを聞くことができる映画と言えば、1968年の「オリバー!(Oliver!)」、1979年の「さらば青春の光(Quadrophenia)」などがよく知られていますが、特に「マイ・フェア・レディ(My Fair Lady)」では、ガサツなコックニーが上品なRP(容認発音)へと再構築されるストーリーですので、コックニーの特徴がかなり強調されています。

中でも「The rain in Spain stays mainly in the plain」を「ザ・ライン・イン・スパイン・スタイズ・マインリー・イン・ディ・プライン」と発音するシーンは、コックニー訛りを表す映画のセリフとして有名です。一緒に発音しながら違いを確かめることができるでしょう。

現代の作品にもイーストロンドンを見ることができる作品が数多くあります。

ガイ・リッチー監督の出世作となった1998年の「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ(Lock, Stock and Two Smoking Barrels)」は、イースト・ロンドンの人々の他、少々お上品で極悪になりきれないロンドナー、呑気なイギリス北部の人々なども描写されています。

また同監督の「スナッチ(Snatch)」は、ブラット・ピット演じるパイキー(アイルランドのジプシー)の強烈なアクセント、アメリカ人、ロシア人も登場します。様々なアクセントに慣れてきたら、話し方で人の雰囲気やキャラクターを掴めるようになるかもしれません。

ジュード・ロウの他、ジョニー・リー・ミラーを筆頭にアメリカ版シャーロック・ホームズ「エレメンタリー」の俳優が多く出演する「ロンドン・ドッグス(Love, Honor & Obey)」は、イーストロンドン出身ではない役者が本物のコックニーでないことがバレる瞬間が時々あるものの、サウス・イーストとノース・イースト(テムズ川を挟んだ北と南)の雰囲気や人々の適当さがよく表されています。

ウェールズ

ウェールズについて、筆者はまだ地域ごとのアクセントを追いきれていないのですが、ロンドン出身のヒュー・グラントがウェルシュに挑戦していなくて安心な「ウェールズの山(The Englishman Who Went Up a Hill But Came Down a Mountain)」や、南西部のスワンジーを舞台にした2010年の「サブマリン(Submarine)」で、独特のアクセントを聞くことができます。

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北アイルランド

総じてザ・トラブル(The Trouble)と呼ばれる北アイルランドの紛争を扱うもの以外では、2013年に始まった「The Fall」というTVシリーズが、北アイルランドのベルファストを舞台にしています。メインキャラクターはロンドンから送られた捜査官ですので、アクセントの聞き比べができるでしょう。

日本で字幕付きが手に入りやすい有名なものから、イギリスに来て英語で聞けるようになればこっちのもの、という難易度の高いものまでありますが、最初は字幕付きで、慣れてきたら耳を使うようにして、またイギリス人の友人ができたら映画を一緒に見て、わからないところを教えてもらうといいかもしれません。

アクセントだけでなく、話し方から伝わる人々のキャラクターの違いも楽しんでみてください。

渡航の荷物と現地で入手するもの

ビザがおりて留学が決定し、渡航日が決まって荷造りをするのは、楽しい反面悩ましい部分もあるでしょう。

何をどこまで持っていくかといった経験者の情報はインターネットに溢れていますが、会社が費用を負担してくれる駐在員と違い、自費で全てを賄う留学生の場合は荷物を極力減らしていく方向になるので、不安との戦いです。

そこで、到着早々手元にあれば便利なもの、落ち着いたら(または必要であれば到着翌日にでも)必要なものを購入しに行ける場所などをご紹介します。

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まず、スーツケースに詰める必要最低限は衣料品に医薬品、歯ブラシやシャンプーなど衛生用品などが基本でしょう。

預け入れ荷物の紛失の可能性があるので、手荷物に数日分は入れておくというのは旅慣れた人であれば習慣になっているかもしれませんが、遠く離れたイギリスとて、日本と同じく現代人が暮らす島であります。

とりあえず入国することができれば、街には人が生きるに必要なものが何でも見つかるはずですし、万が一の場合にはほとんど全て空港で手に入るでしょう。

滞在する場所にもよりますが、基本的には体にあった衣料・医薬品以外はほとんど現地で入手可能だと思って良いでしょう。歯磨き粉からポケットティッシュにウェットティッシュ、除菌ジェルもあります。ただ、歯ブラシは巨大です。

特にボディソープやシャンプーなどは、日本から持ってきた製品はイギリスの硬水では溶け切らず、長く使い続けると排水管が詰まってしまうという話も聞きますので、日本で使い慣れたものを少しだけ持参して、現地で使われているもので新たにお気に入りを見つけるのが良いかもしれません。

どんなに小さいスーパーマーケットにも、少なくとも日本のコンビニエンスストア程の衛生用品コーナーが見つかるでしょうし、駅の周りやハイストリート(商店街=エリアのメインストリート)にはBoots、Superdrugといったドラッグストアが、そしてスーパーでもオーガニック化粧品を扱っている店舗さえあります。

まずは旅行用の小さなアイテムを購入して、肌に合うか試してみると良いかもしれませんね。

到着して数日はホテルに泊まったりすぐにホームステイ先に向かうという人は、ドライヤーやタオルには困らないとは思いますが、すぐにシェアフラットや事前に決めておいた物件に入居するという人は、日本から柔らかいタオルや海外で使えるドライヤー(日本は100ボルト/イギリスは240ボルト)を持ってくるのもありでしょう。

タオルはイギリスの硬水で洗濯しているうちにもれなくゴワゴワになりますが、日本のふわふわ感の未練を味わうという点と、イギリスのバスタオルのサイズがかなり大きくて手強いという点から、荷物に余裕があれば持参はアリだと思います。

電化製品は日本製には敵わないとはよく言われる話ですが、ドライヤーはこちらの製品の強力な風圧に慣れてしまうと、海外兼用の旅行用では物足りないと感じるかもしれません。

変電圧器も持参して、日本のよくできた炊飯器やホットプレートを使いこなす人もいるようですが、期間と予算限定の留学の場合はこちらで安く購入するので十分生きていくことができるでしょう。

コンピュータの電源は、アダプターを確認して「100v-240v」と書いてあれば変電圧器を通さずにそのまま使えます。

プラグだけ、日本のAタイプからイギリスの四角い三本足のBFタイプに変換するものを日本またはこちらで購入しましょう。電子辞書などに必要な乾電池もこちらで揃います。

電池の規格は世界共通で、名前(単1はD、単2はC、単3はAA=ダブルA、単4はAAA=トリプルA、四角いものは9v=ナインボルト)が違うだけですし、ボタン型の規格名(CR2032など)は一緒です。100円ショップならぬパウンドショップもありますよ。

何でも手に入る百貨店(John LewisやHouse of Fraser、Debenhamsなど)は便利ですが、少々お値段が張ります。

そこで、電化製品から食器、枕、はたまた家庭用トランポリンまで何でもそろうArgosというお店は便利です。通販もできますが、お店に行って(またはオンラインで在庫をチェックして)カタログから商品番号を探して、その場で持ち帰ることもできます。

日本より配達はのんびりしていますがアマゾンももちろんあります。

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とりあえずの荷物に日本食を入れて来たい人もいるかもしれませんが、EU圏外から肉製品(肉エキス入りのカップラーメンなども含まれます)や乳製品を持ち込み、輸送することは禁止されていますので注意が必要です。

こちらの記事でご紹介しましたが、普通のスーパーマーケットにカップラーメンやその他日本食を見つけることもありますし(普通のスーパーで出前一丁や日本のカレーのルウ、カップヌードルなど見かけます)、日本食材を扱うお店もありますので、和食材をマストアイテムには数えない渡航を目指すのが吉ではないでしょうか。

どうしても持ち込みたい場合や日本から送ってもらう時にはこちらのページで最新情報を確認してください。

文房具や衣料品も、無印良品やユニクロが至る所にあることを考えれば(近所になくてもイギリス国内でオンラインで買えます)日本から持ってくる必要があるものなどないのでは、という気になってきます。

洋服のサイズは、日本のブランドでも日本でMならこちらではSかXSくらいで、品揃えが少ないという難点はあるものの、ヨーロッパの関税がない分、日本では高かったブランドが安く手に入るという利点もあります。

筆者がどうしても日本から持ってくるものは、食品ラップ(クリングフィルムと呼ばれます)とトイレの便座カバーぐらいです。

便座カバーは、日本ではトイレタリーも販売している前述の日本のブランドでもイギリス店舗では扱いがないからです。温便座がない冬のイギリスで、臀部に日本のぬくもりを感じます。

また食品ラップは、普段ラップ同士ヘタっとくっつくのにお皿にはくっつかない英国製クリングフィルムを使っているイギリス人へのお土産として渡しても喜ばれます。

日本から到着して日本食材スーパーに行くまで時間がかかる場合には、菜箸があれば便利かもしれません。

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日本のように手土産の習慣がないイギリスでは、日本から来たからといっていきなり何かを渡す必要はないと言えるでしょう。

「日本の土産」として誰からも喜ばれるもの、イギリスには売っていないものを見つけるのが難しいということもあります。それよりも、親しくなってからその人のために選んだ贈り物の方が理にかなっているかもしれません。

そういう時のサンキューカードや、誕生日やクリスマスのカードが日本ぽいものであれば、誰もが目にする可能性のあるお店で際立つものを探すよりも粋な気がするので、日本から持ってくるのも良いと思います。

無駄なく、不足なく荷造りして、現地のものを楽しんで体験しながら、心地よいイギリス生活ができますように。

航空券に関して

留学の費用の少なくない部分を占めるのが、「航空券」です。 特に日本からヨーロッパまでは、サーチャージなどの費用を含めると、総額10万円以上はかかりますので、躊躇される方もいらっしゃるかもしれません。 しかし、ロンドンは需要が高い都市になりますので、毎日のように直行便が飛んでおり、とても便利です。2014年時点で直行便を就航している航空会社は、下記のようになっております。

 ブリティッシュエアウェイズ  成田から毎日1便、羽田から週5便(火~金)
 日本航空  成田から毎日1便
 全日空空輸  成田から毎日1便

日本からロンドン・ヒースロー空港までの距離は約9,615kmあり、飛行時間はおよそ12時間から13時間くらいです。 ブリティッシュエアウェイズは、イギリス各地へのアクセスも充実していますので、ロンドン以外の都市への乗り継ぎもしやすいです。 こうした直行便は乗り継ぎがないので、お金が高くなっても時間を節約されたい方や、機内でゆっくりされたい方におすすめです。 もし時間と手間がかかっても、費用を抑えたいということでしたら、乗り継ぎ便となります。乗り継ぎ便の種類としましては、ヨーロッパ乗り継ぎ、アジア・中東乗り継ぎがございます。ルートとしましては、まずその航空会社の拠点となる空港に行き、そこでイギリス行の便に乗り換えます。 下記にサンプルとしまして、いくつかパターンを記載いたします。

(アジア経由) 大韓航空    成田→ソウル→ロンドン 所要時間はおよそ16時間30分
 (ヨーロッパ経由) フィンランド航空  成田→ヘルシンキ→ロンドン 所要時間およそ14時間30分
 (西洋とアジアの中間)ターキッシュエアラインズ  成田→イスタンブール→ロンドン 所要時間およそ18時間20分
 (中東経由) エディハド航空 成田→アブダビ→ロンドン 所要時間およそ23時間 

こうした乗り継ぎ便は、追加料金なしでストップオーバー出来ることも多いです。
ですので、乗り継ぎ時間が長い時は一旦空港の外に出て、数時間アジアや中東の国での観光を楽しむ。ということも出来ます。体力のある方は、乗り継ぎ地を観光するというのも楽しいかもしれません。

祝日カレンダー

アメリカやカナダでは、祝日のことは、Public Holiday(パブリックホリデー)と言いますが、イギリスでは、Bank Holiday(バンクホリデー)と呼ばれています。

Bank(銀行)をはじめ、多くのビジネスが休みとなることからこのように呼ばれるようになりました。たいていは月曜日に設定されており、毎年同じ日が休みとなるわけではありません。 また、祝祭日は、イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドの政府により、異なります。

イングランド、ウェールズの祝日2015

  • 1月1日(木)New Year’s Day (元旦)
  • 4月3日(金)Good Friday ※1
  • 4月6日(月)Easter Monday ※2
  • 5月4日(月)Early May bank holiday メーデー、労働者の日
  • 5月25日(月)Spring bank holiday 春の一般公休日
  • 8月31日(月)Summer bank holiday 夏の一般公休日
  • 12月25日(金)Christmas Day クリスマス
  • 12月28日(月)Boxing Day (substitute day) ※3

スコットランドの祝日2015

  • 1月1日(木)New Year’s Day (元旦)
  • 1月2日(金)2nd January
  • 4月3日(金)Good Friday
  • 5月4日(月)Early May bank holiday メーデー、労働者の日
  • 5月25日(月)Spring bank holiday 春の一般公休日
  • 8月3日(月)Summer bank holiday 夏の一般公休日
  • 11月30日(月)St Andrew’s Day スコットランドの祝日
  • 12月25日(金)Christmas Day クリスマス
  • 12月28日(月)Boxing Day (substitute day) 

北アイルランドの祝日2015

  • 1月1日(木)New Year’s Day (元旦)
  • 3月17日(火)St Patrick’s Day ※4
  • 4月3日(金)Good Friday 
  • 4月6日(月)Easter Monday
  • 5月4日(月)Early May bank holiday メーデー、労働者の日
  • 5月25日(月)Spring bank holiday 春の一般公休日
  • 7月13日(月)Battle of the Boyne (Orangemen’s Day) (substitute day) ※5
  • 8月31日(月)Summer bank holiday 
  • 12月25日(金)Christmas Day クリスマス
  • 12月28日(月)Boxing Day (substitute day) 

※1 Good Friday イースター(復活祭)の4連休の始まり。イエスキリストが十字架にかけられた受難の日から復活までを祝う。 イースターは春分の後の最初の満月の後の日曜日と設定されており、Good Fridayはその直前の金曜日。

※2 Easter Monday 復活祭の翌日の月曜日 

※3 Boxing Day キリストの誕生を祝う日もともとは、その昔、Servants(使用人)達は、クリスマス(25日)に働いて、 その翌日に雇い主よりねぎらいの贈物箱(ボックス)を贈られたことからこのような名がつく。 クリスマスとボクシングデーが週末の場合は、振替休日となる。

※4 St Patrick's Day アイルランドの守護聖人パトリックを祝う日

※5 Battle of the Boyne(Orangemen's Day) 1690年のボイン川の戦いで、オレンジ公ウィリアム(プロテスタント系)が勝利したことを祝う日。

イギリス留学の魅力

ブリティッシュイングリッシュ

英語はその名の通り、英国(イギリス)の言語です。現在、世界中で英語が共通語のようになっており、英語が母国語の国もたくさんあります。しかし、元々はイギリスからの移民が各国へ移住したことから世界に広まったのです。
本物の伝統的な英語を学びたい、ということであれば、迷うことなく行き先は「イギリス」となるでしょう。
また、その逆ともいえるのですが、イギリス、特にロンドンでは、道を歩いていると様々な言語が聞こえてきます。共通言語の英語はインド訛りだったり、フランス語訛りだったりします。グローバル企業や外資系企業では、英語が母国語ではない者同士でコミュニケーションをとることが多いです。純粋な英語の勉強も大切ですが、色々なタイプの英語を理解できるようになるのも実はとても重要なことなのです。こうした側面からも、イギリスは最適な留学先といえるのではないでしょうか。

国籍バランス

オーストラリアやカナダの語学学校に行くと、クラスに日本人がたくさんいて、ついつい日本語を話してしまい、英語を勉強しに来たのにいつの間にか日本語での生活になってしまった、というような話をよく耳にします。
イギリスは、ロンドンだけでも100以上の語学学校が存在するため、基本的にはどこの学校に行っても、日本人学生比率は10%未満です。また、クラスによっては日本人が自分1人だけ、ということも結構あります。ですので、日本語が使えなくて大変なこともあるかもしれませんが、英語力アップには最高の環境です。
また、留学生はアジアよりも、ヨーロッパや中東からの方が多い為、多国籍の友達がほしい!と思っている方にはまさにぴったりの留学先といえるでしょう。

歴史的な建物と観光

イギリスには世界的にも有名な大学がたくさんあります。オックスフォード大学やケンブリッジ大学は誰もが憧れる、優秀な人材を輩出する学校です。英語教育のノウハウや教授法もイギリスから世界に広まりました。
また、オックスフォード大学は現存する大学の中では、世界で3番目に古く、英語圏では最古の大学です。オックスフォード市内にあるカレッジは、今でも中世の荘厳な雰囲気が漂い、建物自体も非常に貴重な文化財となっています。
イギリスでは、ゴシック様式やヴィクトリア様式の美しい建築物が至る所で見られます。わざわざ博物館に行かなくとも、街全体が博物館のような雰囲気がありますので、歩いているだけで楽しむことが出来ます。
また、スコットランドの方に行くと息を呑むような湖、山々、海岸が広がっています。公共交通機関が発達しているので、留学生も不便なく旅行を楽しむことが出来ます。ユーロスターやLCCもあるので、周辺のヨーロッパ諸国へのアクセスも抜群です。

4つのカントリー

イギリスは4つの非独立国であるイングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドより構成されています。それぞれのカントリーは首都を持ち、ロンドン(イングランド)、エディンバラ(スコットランド)、カーディフ(ウェールズ)、ベルファスト(北アイルランド)となっています。
それぞれがアイデンティティを大切にし、独自の伝統と文化を持っています。地域によって環境も、人々の雰囲気も、建物の感じも、そして言語も異なります。語学学校では、複数の都市にキャンパスがあるところもありますので、期間を分けて数か所に留学するというのも可能です。

イギリス人の国民性

イギリス人には、日本人と共通する国民性があります。マナーを重んじ、初対面の人に対しては適当な距離を保ちます。反対方向から歩いてきた人に微笑みかけて、Hiと挨拶するようなことはあまりありません。ですが、一旦親しくなり、信頼関係が生まれれば誠意を持って接してくれます。
また、ロンドンのような国際都市では移民が多い為、外国人に対して違和感を持ちません。ですので、外国人も差別されることがなく、暮らしやすい都市といえます。
反対に、田舎の外国人があまり行かないような地域では、好奇の目にさらされることもあるかもしれませんが、人々は穏やかで優しく、困っていたら助けてくれる親切な人が多いです。また、家の中では靴を脱ぐという家庭が多いですし、プライバシーを大切にして、あまり人に迷惑を掛けないようにするのがマナーとされていますので、日本人にとっては受け入れやすい文化であるといえるでしょう。

ビザの種類

留学期間が1週間~6か月未満の方 

Short-Term Study VISA(6ヵ月未満)

最大6か月までの滞在可能です。 現地での延長は出来ません。 就労は出来ません。 ビザ申請は簡単です。申請書類や面接などはありません。

 留学期間が6か月以上、11か月未満の方

Study VISA(6ヵ月以上11ヵ月未満)

6ヶ月以上11ヶ月までの滞在が可能です。 現地での延長は出来ません。 就労は出来ません。 ビザ申請から受領までには時間がかかりますので、3か月以上前からの準備が必要となります。

 大学・大学院進学を目的とした留学の方(長期間)

(Tier4) Student Visa(学生ビザ)

期間の指定は特にありませんが、通常は6か月以上の留学の方が申請されます。 現地での延長は可能です。 就労(アルバイト)は条件がありますが、可能です。 ビザ申請から受領まで時間がかかります。また、英語力証明が必要になります。

 アルバイトをしながらの就学、もしくはアルバイトのみをしたい方 =就労ビザ

Youth Mobility Scheme(YMS)Visa(ワーキングホリデービザ)

最大2年間滞在可能です。 アルバイトも制限なく可能です。就学期間の制限はありません。 ビザ発給数は1000ですので、申請者の中から抽選により決定します。

ご注意

Short Term Study Visa(6カ月未満)について

6カ月未満のイギリス留学の場合、入学許可証と往復航空券(と、念のため残高証明書)を入国時に提示してShort term study visaを発行してもらいますが、卒業日と帰りの航空券の日付がずれていると入国時に指摘を受ける可能性があります。

中には卒業後1週間ほど滞在してから帰りたいという方もいるかと思いますが、基本的には卒業日の翌日・翌々日の帰国便を手配しましょう。

どうしても1週間ほど長く滞在したい、すでに卒業日から1週間後の航空券を手配してしまったという場合は、学校に入学許可書を発行してもらう際にホリデー期間1週間程度含めて入学許可証を出してもらった方が無難と言えます。最近の入国審査は非常に厳しいので注意が必要な部分となります。

イギリスの基礎知識

国名 グレートブリテン及び北アイルランド連合王国(通称:イギリス/英国)
首都 ロンドン
政体 立憲君主制、議院内閣制、EU加盟
人口 およそ6318万人
通貨 イギリスポンド(£)※日本円にして£1=約137円※2017年4月12日現在
日本との時差 -9時間
言語 英語(公用語)、コーンウォール語、ウェールズ語、スコットランド語、ゲール語、アイルランド語
宗教 英国国教会など、キリスト教徒が約72%、無信仰約15%、ムスリム約3% など
観光ビザ 観光目的の旅であれば、通常は6か月以内の滞在についてはビザは不要。パスポートの残存期間は、滞在期間以上あればOKだが、6か月上が望ましい。

イングランド

イギリス国内では、人口がおよそ5300万人と、最も多い地域で、全体のほぼ90%を占めます。ロンドンは、金融、経済、エンターテイメントの中心地で世界的にも有名な国際都市であり、留学先としては、最も人気があります。そのほかの都市としては、バーミンガム、ブリストル、ブライトン、リバプール、マンチェスター、ノッティンガム、ニューカッスル、ヨークなどがございます。

ウェールズ

ウェールズは、ロンドンの西およそ200キロに位置しています。リヴァプール湾、カーデガン湾、ブリストル海峡に囲まれており、国土の大部分は山地です。主な都市は、カーディフ、スウォンジ、レクサム、ニューポートなどがございます。
ウェールズでは、英語と並んでウェールズ語が公用語とされています。南部ではあまり話されていませんが、中北部では日常的に話されている地域が多いです。しかし、ウェールズ語を話せる人口は年々減少しています。
ウェールズに住む人々は、ウェールズ訛りの英語を話します。

スコットランド

スコットランドはイギリスですが、法制度、教育制度および裁判制度は独立したものになっています。また、元々は王国であったため、独自の文化が発達しています。
首都は、エディンバラでヨーロッパ最大の金融センターのひとつです。最大の都市は、グラスゴーで、人口の40%がここに集中しています。この2都市が留学生の人気の都市にもなります。
ゲール語やスコットランド語が英語と並んで、使われているため、この地域の英語はスコットランド標準英語とも呼ばれています。

北アイルランド

アイルランド北部に位置しており、アイルランド共和国と国境を接しています。人口はおよそ168万5000人と4つのカントリーの中では最も小さくなっています。首都はベルファストで、その住民は24万人あまりです。
かつて、アイルランドとスコットランドからアメリカに移民が沢山渡りました。そのため、この2つのカントリーの英語の発音は、アメリカ英語と共通点が多いのです。アメリカ英語に慣れている日本人には、意外と聞きやすく感じるかもしれません。

イギリス人のイメージって・・・?

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イギリス人に対してのイメージはどんなものでしょう。(ここでは主にイングランドとします)

紅茶を飲む、ガーデニングに夢中、天気の話をする、紳士的…?

移民の多い国ですので、アイルランド系のイギリス人、イタリア系のイギリス人、インド系のイギリス人、ジャマイカ系のイギリス人など、育った家庭、またはコミュニティによってそれぞれ違うと言えばそうなのですが、ロンドン暮らしの筆者が出会った人々はだいたい、上記に当てはまります。

家に着くととりあえず紅茶、休憩するのにとりあえず紅茶、特に理由はないけれどせっかくだから紅茶。親友のお母さんは家の前に見事な花壇を作っていましたし、それがコミュニティのガーデン賞を受賞して結構な額の賞金を与えられていましたので、ご近所さんも常々人の家の庭に注目しているからこそ、評価に繋がったのだろうと思われます。

またロンドンで暮らし始めてしばらくしたころ、本当に、会話にしばしば天気の話題が登場することに気づきました。ロンドンの天気は変わりやすく、雨が降ったと思ったら10分後には晴れ間が覗いていたり、朝は生ぬるい気温だったのに夕方には震えるほど寒くなったりします。

それがあまりに普通のことですので、特にドラマチックに捉えているわけではないのですが、人と会って挨拶代わりに「さっきまで暖かかったのにね」「昨日までの天気が信じられないね」などと、互いに認識していて異論の唱え様のない言葉のやり取りをするわけです。

もしかしたら、特に掘り下げて聞く予定もない「元気?」や、あまりに意味を込めない言い回しなので英語で説明しようとすると苦労する「お疲れさま」と同じ使いみちなのかもしれません。

さて、イギリス人が紳士的かと言えば、それがここまでで述べた中で最も「人それぞれ」の定義が当てはまるところではないでしょうか。

スーツケースを抱えて階段で途方に暮れて立ち止まっていると、どこからともなく紳士(に見える)が現れて手を貸してくれる、などということが身に起こった人もいることでしょう。

後ろに続く人のためにドアを開けておくことなどは、男女問わずよく目にする行動ですが、何もしないで通り過ぎる人もいます。扉を開けておいてくれない人、開けておいたけれども気づかない人、前の人が通った隙間をさっと通り抜けていく人は、男性でも女性でも、います。人それぞれです。

筆者のイタリア系移民の友人は、一緒に歩く女性のために少し早足でドアにたどり着いて、開けて先に入れてあげるということをさらりとやってのけます。

母が父に仕える古いタイプの日本の家庭で育った筆者が、そんなにお姫さま扱いされるとかえって居心地が悪い、と直訴すると「女性はお姫さまぶっておけばいい」と断言。よく聞けば、子供の頃からお母さんに女性の扱い方を叩き込まれたそうです。

ですが、それは女性に対する態度が違う環境では、違う受け取られ方をするでしょう。例えば戦国時代の武家の嫁にそんな待遇をしてはいられません。戦国時代は極端ですが、違う時代、国、地域をひとまとめにして、どのマナーが正しいなどと断定するのは難しいということは、常に頭に入れておく必要があるでしょう。

ロンドンで混み合った電車から降りようとすると、プラットフォームに立っている人が降車を待たずにどんどん乗り込んで来ることがあります。出口付近の人が動こうとしないせいで降りる人の波が滞ったり、乗り込んだ車両の入り口付近から奥に進まず、通せんぼしている人がいたり。

最近では、ラッシュ時のアナウンスで「降りる人を先に通してから乗車してください」「乗ったら奥に進んでください」などと言われることがありますが、ここに混んでいる電車の乗降に関するルールが特になかったというのは、人々にマナーがないということではなく、共通のルールを作る必要がなかっただけだといえるのかもしれません。

日本の混雑した駅のように、整列乗車の習慣もありません。上記のような状況であることを無しにしても、乗客にとりあえず整列乗車を強要したところで、電車が停まる位置が適当過ぎて、並んでいた位置に扉があらわれないという可能性の方が高いでしょう。ルールが出来上がるには、それが適用される環境となる他の条件も必要になります。

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観光に訪れて感想を聞かれて「イギリスは、店で働く人がお喋りをやめようとせず、接客態度がなっていない」と言う人もいれば「お店に入ればニッコリしてハローと言ってくれる気持ちのよい国だ」と言う人もいるでしょう。

イギリス人からしてみれば「日本からの観光客はいつもニコニコして礼儀正しい」と感じる人もいれば、「お店に黙って入ってきて、黙って品物に触って黙って出ていく」というイメージを持っている人もいるかもしれません。

どの文化にどんなマナーがあるのかを知るまでは、自分の慣れたルールと違うからと憤慨するのは不公平というものです。

新しい国にきて、新しいルールを見出すために、人(やその人の背景や地域)をゆっくり観察して、暮らしていくうちにそれに馴染んでいくのは、異国で暮らすことで得られる素晴らしい体験のひとつではないでしょうか。