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ロンドン留学の日々

イギリス・ロンドンの生活、文化、基礎知識を綴ります。留学・ワーキングホリデー・移住

ロンドンの地下鉄ストライキに備えて

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ロンドンで地下鉄(tube=チューブ)を利用する生活をしていると、よくストライキが決行されることに驚くかもしれません。

数カ月おきに起こるような気がしてきます。驚きの次は閉口することでしょう。チューブで移動できる場所にはバスが通っているので、いくつもバスを乗り継いで目的地に到着することはできます。

ですが、 ストライキのせいで誰もがバスを利用するので、バス停は大混雑です。

そんな日は臨時で増便するものですが、いつもより多いバスの他、普段は乗らない人が自転車を引っ張り出してきておぼつかないハンドルさばきでゆっくり走ったり、交通ルールを特に把握しないで街中のレンタルバイクで走り出す人々のせいで、道路はもれなく大渋滞です。

ストライキの理由

イギリスは、TFL(Transport for London=ロンドン交通局)に限らず、労働組合が力を持っています。

というよりも、従業員が職場に意見することができる健全な状態を保とうとしているようです。

ですから賃金形態への抗議、人員削減への抵抗など、局の方針に不満を抱く従業員、それも現場での稼働という重要な役割をこなすスタッフが、何百万人もの利用客を混乱させるだけでなく、経済への影響もあることを承知のうえでストライキをチラつかせます。

丸24時間、時には48時間の間、地下鉄を走らせることができないとなると大変に困るTFLは、組合との話し合いに応じるわけです。

実際にストライキが起こる回数を考えると、どうやらそういった交渉はなかなか組合の思うようにはいかないようではありますが。

ストライキに対する反応

TFL職員の年収はなかなかのもので、地下鉄の運転手で5万から6万ポンドだと言われています。

英テレグラフ紙によると、トレーニングを初めたばかりの新人運転手でさえ2万4千ポンドほどで、3~4ヶ月のトレーニングを終えた段階でもう4万9673ポンドに上がるそうです。

イギリス人労働者のサラリーの平均が2万6500ポンドだという話を考えると、いきなりの高待遇と言えるでしょう。

これは地下鉄運転手の場合ですが、TFLのスタッフで言えば駅の職員の平均年収も3万ポンドと、英国人の平均よりも高い設定です。

管理職なら4万ポンド、とはいっても管理職よりも運転手のほうが高収入のようですね。

さらに年間休日日数は看護師、教師など平均して30日弱のところ43日、そして平均稼働時間は週36時間…聞けば聞くほど羨ましい環境です。

こういった情報は公開されているので、こんなに高待遇なのに何が不満でストライキばかりしているのだと、利用客の怒りを買うのはもっともです。

ですが、ストライキを起こすのは運転手に限らず様々な役職のスタッフを含めた組合の決断ですし、雇用者削減に対する抗議や労働環境の改善の要求は労働者の権利であるので仕方がない、と多くの人が思っているように感じます。

怒り半分、諦め半分、どうかストの日をやり過ごせますように、という気持ちではないでしょうか。

ストライキに備えて

ストライキ情報は、数週間前に発表されます。オイスターカードをサイトで登録してある人は、TFLからのメールが届くはずです。

ですから可能であればあらかじめ予定の時間や日付をずらしておくなり、決行された場合に備えて目的地に辿り着くルートを探っておくなり、ある程度の対策を練ることができます。

ストライキ当日

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定期券(公共交通機関のページ参照)を持っている人は、いつもと違うルート/手段で目的地に辿り着いても過剰課金されることはありません。

バスを乗り継いだり、歩きに挑戦する人は、いつもより(場合によっては数時間)早めに出発する必要があるでしょう。

特に観光客の多い中心部を徒歩で行く場合は、ただでさえ途絶えないゆっくり歩きの人の波でイライラが募ることと思いますので、大通りを避けた裏道を進むほうがいいかもしれません。

また臨時のバスが多数運行されるはずですが、バス停がいつもと違う場所になったりするのでTFLのサイトでよく確認してください。

徒歩のススメ

ロンドンの特にゾーン1は、地下鉄の駅の間隔も近く、チューブマップで見るとかなりの距離も案外徒歩で行けるものです。

確かにストライキ中に経験すると焦りと混乱でマイナスなイメージになるかもしれませんが、歴史ある建物を見上げたり、その中にひっそり存在する緑の公園を見かけたり、移動手段としての徒歩はとても実りの多い時間になると思います。

バスや地下鉄を乗りこなす、自転車で風を切る、といった住人らしい体験とはまた別に、街並みをより深く知り楽しむことができるこの贅沢な時間の使い方は、ロンドンに暮らしているからこそ可能なのかもしれません。

度々襲ってくるストライキを、精神的なダメージをあまり受けずに乗り越える手段が見つかりますように。

マーケット

アンティーク・マーケット、ストリートフード・マーケットから街角の食料品マーケットまで、ロンドンでは常に様々なマーケットが開かれています。

歴史ある習慣が続くのと同時に移り変わりの激しいロンドンでもありますので、全てを挙げるのは不可能ですが、有名どころ、注目どころをいくつかご紹介します。

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アンティーク・マーケット

ウェストロンドンのノッティングヒルにあるポートベロー・マーケット(Portbello Road Market)は、アンティークを扱うお店が多いことで有名です。

特に週末はアンティーク狙いの人や観光客で大変な混雑ですが、ウィークデイにも果物や野菜、古着を扱うお店やストール(屋台)がオープンしているので、近所の人は日常の買い物に利用したりもします。木曜日だけはお昼頃には全てのお店が閉まってしまうので気をつけましょう。

ここは毎年8月の終わりに開催されるノッティングヒル・カーニバルでも有名ですが、映画「ノッティングヒルの恋人」の彼の地でありますので、スクリーンで見たあのマーケットを歩くだけでも、訪れる理由になるかもしれません。

アレキサンドラ・パレスでは年に4回、日曜日に特大のマーケット(Alexandra Palace Antiques and Collectors Fair)が開かれます。入場料がかかりますが、スケジュールさえあえば、気合を入れて訪れる価値ありでしょう。

アンティークと呼べるものの割合は低いかもしれませんが、カムデン・マーケット(Camden Market)でも古い掘り出し物を見つけることができるかもしれません。

また観光地として有名なカムデンとは別に、ノースロンドンのイズリントンというエリアにカムデン・パッセージ・アンティーク・マーケット(Camden Passage Antique Market)があります。

お洒落なエリアですので、扱う品物も洗練されているという印象です。隣接のピアポント・アーケード・マーケット(Pierrepont Arcade Market)含め、エリア一帯が可愛らしい雰囲気ですので、お店やストールを巡る途中でお茶をするにも楽しめるでしょう。

リバプールストリート駅からすぐのオールド・スピタルフィールズ・マーケット(Old Spitalfields Market)、コベントガーデンのマーケット(Covent Garden Market)、メリルボーンのアルフィーズ・アンティーク・マーケット(Alfies Antique Market)など、屋根のある常設マーケットは気軽に立ち寄ることができます。

毎週金曜日、朝6時から午後2時まで開かれるバーモンジー・マーケット(Bermondsey Market)は、ロンドンブリッジから向かいます。

それほど大きな規模ではありませんが、常設されているマーケットに比べると、ストールごとに気合が入っている、または商品が厳選されているという印象を受けるかもしれません。

また、どう間違っても溢れるほどの客がやってくるポートベロー・マーケットに比べて、値段設定が多少低かったり、オマケしてくれる人情が少々厚かったりするというのは気のせいでしょうか。近所にはバラ・マーケット(Borough Market、後述)もあるので、金曜日のイベントに計画してもいいかもしれません。

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フード・マーケット

美味しいものを食べたい人は、バラ・マーケットへ。肉、魚、パン、チョコレート、ワイン、敷地にひしめくストールでランチを頬張るのも良し、お土産に食糧を買い込むも良し。1014年にスタートして数年前に1,000年目を迎えたマーケット、月曜と火曜以外は、全てのお店が空いている本気営業モードです。

土曜日はイーストロンドンのブロードウェイ・マーケット(Broadway Market)を訪れてはいかがでしょう。

リバプールストリート駅から走るオーバーグラウンドのロンドンフィールズ駅から、こじんまりした公園London Fieldsを突っ切れば、お洒落さんで賑わったマーケットが目に入ります。それほど大きくないのですが、移民の多いハックニーという土地柄か、アフリカ系、ベトナム系など多様なストールが並びます。

ブリック・レーン・マーケット(Brick Lane Market)は、古着・アンティークの買い出しのついでに、昨今生まれ変わりを果たし、注目を集めているブリクストン(Brixton)は常設アーケード市場の他、蚤の市、ファーマーズマーケットなど様々なストールを楽しめるでしょう。

またお魚が恋しい人は、ビリングスゲイト・マーケット(Billingsgate Fish Market)に早朝(4時から8時半営業)に出かけると良いでしょう。海に囲まれた島国とは言っても、日本ほどのよいシーフードとの出会いがないイギリス。新鮮な魚を買うには、やはり魚市場でしょう。

お花のマーケット

最後に、お花のマーケットを紹介します。

イーストロンドンのコロンビア・ロード(Columbia Road)で毎週日曜に開催されるフラワー・マーケットでは、朝8時から午後3時頃まで所狭しと色とりどりの花が並びます。

オーバーグラウンドのホクストン、ショーディッチ・ハイストリート、ケンブリッジ・ヒース、地下鉄ベスナル・グリーンと数カ所の駅に囲まれており、マーケットの時間を外すと本当に普通の住宅街のようですが、週末に若者が遊びほうけるイーストロンドンのくたびれた日曜の朝を活気付ける、華やかなマーケットです。

それでも普段から可愛らしいカフェやアンティークのお店が並んでいますので、ハックニーに縁のある人は訪ねてみてください。

ここに挙げたもののほとんどは、観光客にも知られたイベントのようなものですが、家の近所に、もっと素敵なマーケットがあるよ、という方も多いと思います。筆者は、果物や野菜はできるだけマーケットで手に入れるようにしています。

ザルに山盛りを1ポンドで買うことができることの他、小さなビジネスでの消費は悪い気分がしないからです。

顔見知りができて、オマケを貰えるようになることもあるかもしれません。みなさんも、気軽な気持ちでマーケットを利用してみてください。

お茶を飲む

イギリスでお茶を飲むと言って思い浮かぶのは、アフタヌーンティーでしょうか。

そもそも貴族の嗜みだったこのお茶タイム、ちょっとしたマナーがあるようです。

基本的には小さなサンドイッチ、スコーン、ティーケーキの3種類がこれまた小さなお皿に乗せられ、三段重ねのトレイで運ばれてきます。

下の段から食べ始め、ポット入りの紅茶はまずはストレートで、二杯目からはミルク入りで、がお上品らしいですよ。

入店にドレスコードがあったり、有名店では予約が必要だったりするので、事前にリサーチして準備万端で望みたいところです。

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ピカデリーサーカスにある老舗フォートナム・アンド・メイソン(Fortnum & Mason)のティールームでは、予約制で44ポンドからアフタヌーンティーが楽しめます(予約はこちら)。

つまり、お財布の準備も必要です。メイフェアのスタイリッシュなラウンジ、ザ・スケッチ(The Sketch)では、ギャラリーでのアート鑑賞やレストランとしての利用もでき、ロンドンでのお洒落な一日を楽しめます。ですがバレンタインデーや母の日などイベントのシーズンのアフタヌーンティーは一人につき75ポンドと特別価格が設定されていますので、予約の際は注意してください。

面白いのはBベイカリー(B Bakery)によるアフタヌーンティー・バスツアーでしょうか。古いルートマスターに乗って、お茶をしながらロンドン・アイ、ビッグ・ベン、国会議事堂やウェストミンスター寺院、バッキンガム宮殿からハイドパークをぐるっと回って観光ツアーが楽しめます。

また夏にはボートに乗ってテムズ川を行くアフタヌーンティー・ツアーも提供されるので、一味違った体験をしたい方にはおすすめです。

ちょっぴり華麗な「イギリス体験」となるアフタヌーンティーですが、紅茶は市民の生活にも深く根付いており、家庭用のティーバッグが手頃な価格で販売されています。

有名なのはPG Tips、Typhoo、Yorkshire Tea辺りでしょうか。紅茶専門店の高級なものではなく、これらの庶民的プライスの気に入ったブランドを飲み続けるという人が多く、お土産やプレゼントで貰った趣向の違うお茶が生活に入り込むスキがない、という気がします。

日本語の紅茶は「紅」という字を含んでいますが、イギリスの紅茶はBlack Teaと呼ばれます。イギリスで赤い茶、red teaは主にルイボスティーを指すようで、緑茶=グリーンティーはミント入りなど様々な変わり茶となっていることもあります。

イーストロンドンの筆者の周りでは、庶民の紅茶はだいたいミルク入りという印象です。

美味しくなくて飲めないから牛乳を入れて味をごまかすんだよ、と教えられたのが冗談なのかどうかは未だにわかりませんが、ティーバッグをスプーンでぎゅうぎゅう絞る姿に戸惑う必要はありません。

マグカップに濃く淹れた紅茶にミルクと砂糖を入れる、労働者が休憩時間に飲むタイプのお茶が「ビルダーズ・ティー(builder’s tea)」と呼ばれて市民権を得ているイギリスです。

ティーポットに茶葉を泳がせて、繊細なティーカップに注ぐなどいった優雅なお茶の入れ方をするのは映画の中の話なのだな、と信じるようになりました。

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一杯のお茶を”a cup of tea”と呼ぶことはご存知かもしれません。それが短くなって”cuppa(カパ)”とも言われるので、お茶でもどう?という時、”Would you like a cuppa?””Do you fancy a cuppa?”もしくはシンプルに”Cuppa?”と聞かれることもあるでしょう。

また、”put the kettle on”と言えば「やかんでお湯を沸かす」という意味ですが、お湯を沸かす目的と言えば…そう、お茶を入れることです。ですから誰かに”Can you put the kettle on?”と言われて電気ケトルのスイッチを入れただけでいたら、紅茶が運ばれてくるのを待ち続ける人がいるかもしれません。

またteaと言って、夕食を意味することもあります。主に北部ではまだその言い方が残っているようですが、北部訛りの人に「今日午後にうちにおいでよ、一緒にteaでもどう?」と言われたら、そのteaが何を意味するのか確認してみてはいかがでしょう。

Teaが食事かもしれないという文化に理解を示す外国人を、もしかしたら気に入ってくれるかもしれません。

今世紀に入ってからはハーブティーやコーヒーの人気に押されて、消費量が減ってきたと言うイギリスの紅茶文化ですが、日本で「お茶をする」という言い回しに「コーヒーを飲む」可能性が含まれているのと同様、cuppaがコーヒーを意味する場合もあります。

日本でのコーヒー文化を考えると、ロンドンを歩き回る際、または日本からのゲストを観光に連れて回る際、コーヒー休憩が嬉しいことがあるかもしれません。

ロンドンのカフェ事情は、日本とあまり変わりません。スターバックスを初めチェーン店が至る所にあり、「ロンドンに来たからにはアフタヌーンティー」というガイドブックの高いハードル設定に疲れた時には、気軽に一服することができます。

また多くの店舗にお店の中だけでなく外にも椅子とテーブルがあって、特に夏場はのびのびと休憩することができますし、持ち帰りにして公園に座ってゆったり飲むというのも、ロンドンを満喫する良い方法でしょう。

筆者はスターバックス派ではないので詳しいメニューはわかりませんが、メニューも日本とそれほど変わりがないのではないでしょうか。

他にえんじ色がトレードマークのCOSTA(コスタ)、ブルーのCafe Nero(カフェ・ネロ)などが人気で、共にスタンプカードでポイントを貯めて無料の一杯を目指すことになります。

特にカフェネロはスタンプ10個で一杯無料なのですが、陽気な店員さん(なるべくイタリア人を採用しているようです)にスタンプをサービスしてもらえることも多いので、割りと早く無料の一杯に辿り着く気がします。

生クリームたっぷりでアイスを砕いた「冷たいミルク入りコーヒー」を提供するネロと比べ、コスタでは日本でいう「アイスカフェラテ」に近いものが飲めるので、筆者の夏の気に入りです。

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面白いのは、ロンドンのカフェで持ち帰り(take away)を注文すると、お店で陶器のカップで飲むより安くすむことです。

紙コップ代で高くなるのかと思いきや、食器を洗う労働力(たいがい食器洗浄機ですが)に課金される模様です。

チェーンのコーヒー店では、ケーキやマフィン、サンドイッチなどの他、店舗によってはパスタや温めてもらうパニーニなどを販売しているところもあります。

またどこをとっても絵になるような個人経営のお洒落なカフェも多くあります。

高い値段設定で小さなカップにちょっとだけのコーヒーを手渡されるその環境に、ちょっと悔しい気がしながらも通ってしまうのは、やはりチェーン店とは違った味を提供しているからかもしれません。

素敵なお店でも自宅でも、日本にいた頃と同じくらいくつろげる環境がロンドンで整いますように。

日本食が恋しい時

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限られた生活費で食い繋いでいかなくてはならない留学生活。ラーメン屋さんや庶民的な価格設定の日本食レストランも増えましたし、昨今の日本食ブームの定着で日系のお店に行かなくとも普通のスーパーマーケットやテイクアウェイでお寿司などを手に入れることができるようになりましたが、それでもラーメンに10ポンドも出すのは財布が許さない、「人参入りの手巻き寿司風の何か」をお寿司と呼ぶわけにはいかない、という人もいることでしょう。

そのような場合は、自分で日本食風の何かを安く作るという方法があります。そもそも日本と違って硬水であるため出汁をとるのからして難しいという話もありますが、そうは言っても、嬉しいことに自炊での日本食作りも大変楽になってきました。

日本の食材を買うことができる店は、ロンドンであれば幾つか選択肢があります。

まずは中心部にあるJapan CentreRice Wine Shop、西部・北部などに店舗を構えるAtari-Yaといった日系のお店に行く、またはオンラインショッピングを利用するというのが簡単でしょう。

ですが少々値が張りますので、筆者の場合は日本から買ってくることができなかったものや緊急で必要なものなどを買いに行って、予定していなかったものまで購入してあとで頭を抱える、という使い方をしています。

このようなお店ではほとんど何でも手に入ると言っても差し支えないでしょう。調味料から冷凍食品、お米や長芋などのお野菜、手作りお惣菜などの他、イギリスのお肉屋さんでは売っていない薄切り肉やお刺身を扱っているお店もあります。ですから、ロンドンの日本食生活はほぼ安泰です。

またTescoやSainsbury’s、Morrisonsなど「いつものスーパーマーケット」にも、今や必ずと言っていいほどアジアン・コーナーがあり、キッコーマンのお醤油や、イギリスで日本食の輸入業を営むTazaki FoodsのブランドYutakaの商品などを気軽に買うことができます。出前一丁のようなインスタントラーメンや日本のビールも、特にアジアと構えてもいない普通のコーナーで売られていたりします。

筆者は、ごま油はわざわざ日系のお店の日本のブランドを買わずに各スーパーのブランドのToasted Sesame Oilで済ませますし(ゴマ:sesameも買えます)、お米もSushi Riceとしてスーパーのアジアン・コーナーで売られているものよりも、イギリス人がライス・プディングという甘いおかゆ的デザートを作るのに使用するPudding Riceで代用しています。Basmati米など美味しくて安い長粒米もありますが、日本のお米が恋しい時はねばりがでる短粒米が役に立ちます。

そして500グラム1ポンド程のプディングライスのお得感。特にフラットシェアなどで5キロのお米を保管するスペースがない生活の場合や、気前よく買った日本米完食時の緊急ライスとしてもおすすめです。筆者は話に聞いていたこの商品がアジア食品コーナーにも穀物コーナーにも見つからず、やはり日本の皆さんが通うWaitroseやMarks & Spencerのような少し高級なスーパーに行かなくてはいけないのか…と庶民の味方の安スーパーの片隅で途方に暮れたことがありましたが、デザートコーナーを探してみると良いでしょう。だいたいスーパーのオリジナルブランドが少なくとも一商品は扱われているでしょう。

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普通のスーパーでは、他にもネギの代わりに使えるspring onion(またはsalad onionとも呼ばれる)や、キャベツも手に入ります。日本のような丸いキャベツはどの葉をとってももれなく固く、火を通す以外に方法が見つかりませんが、写真のように先が尖ったsweetheart cabbage(またはpointed cabbageという名)は、千切りにして生で食べたり、日本のキャベツと同じ使い方をすることができます。

また、どうしても今日だけは薄切り豚肉でなくてはイヤ、というときにはunsmoked bacon(スモークされていないベーコン)がまあまあ良い仕事をします。ベーコン感は拭えませんが、普通のベーコン(smoked bacon)ほど塩辛くないので、多少煮込んだり味付けをしても食べられるレベルだと判定しました。

そして生っぽい海の味が欲しい、という時には。スモークサーモンがなかなか役に立ちますが、筆者はよくtrimmed smoked salmon(切れ端)を買います。

スモークサーモンと同じコーナーに小さめのパックで並べられており、かなりお安く売っています。刻む必要がないので、空腹で日本食レストランの脇を通って帰宅した時などの緊急時、パックを開けてそのままネギやごま油と和えて冷凍しておいたご飯に乗せて食べたりします。

鯖(mackerel)やマス(trout)などをスモークしたものも、真空パックで2ポンド程で買うことができますので、フライパンで炒めていつも見る野菜のお浸しのような日本風の付け合せを添えれば、食卓はほぼ和になるでしょう。

もやし(bean sprouts)や生姜、白菜(Chinese cabbage)も普通に売っていますし、少々大味で水っぽい巨大キュウリ、皮が固いので少し長めの調理が必要な特大なすびにほうれん草(サラダ用に葉っぱの部分のみパックにされていることが多い)なども「いつものスーパー」で手に入るものは本当に多いので、醤油や出汁のもとなど基本の調味料があれば、日本の味は夢見るほど遠くはないでしょう。

最後に、チャイニーズ・スーパーマーケットに行くという方法もお伝えしておきます。大根や日本風の梨(最近ではよく普通のスーパーでも見かけますが)などの他、うどんや素麺なども数種類の取り扱いがあったり、イギリス系のスーパーでは滅多に見ない丸ごとのイカやカニなども売っているかもしれません。調味料やスナック菓子も、日本を思い出させる味が少し安めに手に入るので、近所にあれば是非活用してみてください。

次の帰国時まで、あなたの胃袋がホームシックになりませんように。

イギリスの食事は本当にまずいの?

イギリスの食事は不味い、と言う人は、ここしばらくイギリスを訪れたことがない人なのでははいでしょうか。

確かに今ほど安心して知らない店に飛び込めない時代もありましたが、2000年辺りから食のクオリティが上がってきた、というのが、筆者の周囲のイギリス人及び外国人の意見です。

つまりそれ以前に日本から訪英して、以来20年近く一度もイギリスの地を踏んでいない人は、残念な食事をした思い出で終わっている可能性があると考えられます。

例えば1ポンド300円時代であったなら、現代なら700円前後の感覚である5ポンドの格安外食メニューに、1500円も払った記憶になるのです。5ポンドの食事に質を期待しないのならば、20ポンドくらい奮発してまあまあな一皿を食べようにも、日本円で考えると6000円。相当上品な体験を期待したところで、ありつけるのはまあまあな食事、という具合であったことでしょう。

インド人やイタリア人が営むレストランなら安心、という説もありましたが「イギリスに来たならピザ食べなきゃ!」「イギリスのストリートフード、カレー」などと謳うガイドブックがあったとも思えませんので、街中の観光客向けレストランや、髪の毛の絡まったやつれたお母さんが営む薄暗いパブに飛びこんで、頬を濡らしながら食べもの風の何かを喉に流し込んだのかもしれません。

90年台の終わりにシェフJamie Oliverが出現し、食の改革に取り組み始めたり、Gordon Ramseyなどがセレブレティ・シェフというキャラクター付けで脚光を浴びたことで、イギリス人の食への興味と、一般家庭での料理への情熱が高まってきたと言えるでしょう。

それから10年20年経て、今でこそ家でも外でも健康で美味しい食事を求める風潮が定着しましたが、変革の途中では、ホームステイやホームパーティに招かれた家で、くたくたに茹ですぎていない野菜やのびきっていないパスタを振る舞われる可能性は、それ程高くなかったと思われます。ですから「イギリスの食事は不味い」と断言する人には、残念な体験をしたその人の不運を考慮して、優しい気持ちで接してあげてください。

現在のイギリスでは、オーガニックレストランや、ガストロパブと言われる美味しい料理を出すことを売りにしたパブが至る所に開店し、庶民が近場で満足な食事をすることも難しくはありません。ですが、当時の日本人なら残念な体験として封印したかもしれない、けれども懐かしいような不思議な感情を掻き立てる味に触れることも、まだまだ可能です。

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例えばウナギパイやウナギのゼリー寄せ(jellied eel)。蒲焼の国からやってきた人には、半透明な塩味ゼリーに閉じ込められたウナギには悲しい水っぽさを感じるかもしれませんが、写真のイースト・ロンドンはLeytonstoneにあるEel & Pie Houseでは、特に外はサクサク中はふっくらでもないパイ(肉もあります)とマッシュポテトやマッシュされたグリンピースを3ポンド以下で食べられます。

その昔の庶民の味を想像するのにもってこいです。筆者はこれが大好きで、2016年11月にロンドンのパイ&マッシュのお店を特集したTimeOutに敬礼をしたいところです。

イギリスといえばフィッシュ&チップスもよく知られていますが、2009年にはリーズ大学の科学者がチップス(フライドポテト)のニオイの成分は「バタースコッチ、ココア、玉ねぎ、花、チーズ、アイロン台」であると分析、発表しています(yorkshire post)。今ドキの洒落た人の中にはフィッシュ&チップスを臭いという人もいるようですが、この使い道の見えない研究結果は、イギリス庶民の胃袋の理解に役立つでしょうか。

また筆者は、パイ皮の代わりにマッシュポテトでミンチ肉を覆ったシェパーズ・パイの付け合せに茹でたジャガイモ、茹で人参にマッシュキャロット、といった強引な一皿に出会ったこともあります。昨今流行りのおしゃれなレストランでは見られない、洗練されていない素朴な料理は、イギリスでの生活を愛しく思うのに欠かせないアイテムかもしれません。

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料理の美味しさは個人の観点でしかないので、一概に批評することはできません。安かろうが高かろうが、自分なりの「値段と釣り合う胃袋の満たされ方」を見つけることが重要ではないでしょうか。

シェアハウスをする際の心構え

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日本でも最近人気のシェアハウスですが、イギリスや欧米諸国の学生の間では学生寮と並んで、人気の滞在方法です。(イギリスではフラットシェアが一般的です)特に、ロンドンは様々な国籍の方が住んでいますので、シェアメイトの国籍もみんな違う!ということもあるかもしれません。

物件を探す方法としましては、インターネットの生活情報サイトや現地の不動産会社を通じてというような形が一般的です。

ホームステイや寮とは違って、国籍や年齢も入居前に多少は選ぶことが出来ます。中には、日本人同士の方が、清潔で生活習慣も合う、ということで日本人のみでシェアしている方も多いです。

家賃の高いロンドン

オンライン家計管理アプリを提供するSplittableのリポートによると、2ベッドルームのフラットの平均家賃は一ヶ月1400ポンド(ビール360パイント分だそうですよ)、1ベッドルームでも1200ポンドだということです。

為替相場によって日本円での価値は変動しますが、2016年末の1ポンド145円程度のレートですと、キッチン別の寝室一部屋のフラットで17万円を超えということになります。そうした家賃の高さゆえ、20歳から34歳のヤング・プロフェッショナルの25%が、実家住まいを余儀なくされているそうです。

実家に居候することができない社会人はフラットシェアをするわけですが、これは学生でも、日本からの留学生でも同じです。そして厳しいことに、家賃は600から1000ポンドを払う覚悟が必要だとも述べています。

ロンドンは世界でも最も家賃が高額な都市のひとつで、ワンルームアパートの場合でも、比較的安全で中心部から遠すぎない場所とすると上記の上限近くを支払うことになりますし、仮に為替が1ポンド180円にまで円安に振れるとすると更に悲惨です。

尚、日本で言うワンルーム、一部屋にキッチン、バスルーム等が付いているものはStudio Flatと言います。

ただ、Studio Flatの場合、大抵バスタブはなく、シャワールームだけの場合が多いです。

そして1LDKの様に、寝室の他にリビングルームとしてもう一部屋あり、キッチン、バスルームが付いているものは1 Bedroom Flatと呼びます。その寝室の数が増えると2 Bedroom Flat、3 Bedroom Flat等と言うように、呼び名も変わってきます。

シェアハウスのメリットは、立地、設備、家賃などを自由に選ぶことができるという点、入居前に内覧が出来るという点、滞在費を抑えられるということなどです。しかし、一方でのすべて個人の責任になるので注意が必要です。

インターネット経由での契約の場合は、ウェブサイト掲載情報と実際のお部屋の状況が全く異なるケースや、架空のお部屋情報を掲載して、お金をだまし取ろうとするケースがあります。生活の基盤になる住居は必ず、実際に物件を見に行き、オーナーと話をしたうえで決定しましょう。

実際のシェア体験談はというと・・・

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筆者は、東京でいう下町のような立ち位置だったイースト・ロンドンにて、最大で7人でハウスシェアをしたことがあります。

昔は荒んでいた代わりに物価も安かった地域ですが、おしゃれな若者たちが流れ込んできたお陰で治安も家賃もうなぎ上り、と地元の人がジレンマを隠せないでいる、ハックニーというエリアです。月850ポンドも払っていました。

実際に「ハックニーに住みたい」という人がいるものですから、家賃を高く設定しても借り手がいるのです。広告を出してすぐに内見の予約が山ほど入り、見学に来てから「シェアする人数が多すぎる」などという理由で辞退する人がいても、必ずまた他の誰かが借りたいと言ってくるので、家賃を下げる必要がないのです。

2つのトイレ、シャワールームと台所は共有でしたが、大きなキッチンは数人で同時に使用できるうえ、冷蔵庫を含め十分な収納が割り当てられており、特に不便だと思ったことはありませんでした。同居人たちのスケジュールがわかっているので、シャワーの使用時間がかぶりそうになったら相談するか、ちょっと早めに起きたりして時間をずらしてやりくりします。

人によっては共有の場所を汚しっぱなしにしたりしますので、時には腹の立つこともあります。そのような場合は話をつけるか、メモに文句を書いて置いておくか、または自分自身が気持ちよく使うためにせっせと掃除や片づけをする、というのが解決法の数例です。

「あらごめん、次から気をつけるね」と言って本当に気をつけてくれる人、気をつけると言ってくれるだけの人、気をつけるともごめんとも言ってくれない人、それぞれいることでしょう。そこで人の反応にいちいち憤っていては、異文化で育った人と生きていくのに自分が窮屈になるだけです。そしてよく考えてみると、外国に来ている異邦人はむしろ自分の方です。

人を変えようと思わず「自分が居心地の良い環境を、自分のために作る」という枠を意識して行動すると、理不尽な他人の言い分に感情移入する線引の設定ができると思います。

例えば、ハウスメイトが使い終わったフキンを湿ったままテーブルに置きっぱなしにする日々にうんざりしているとき。

「濡れたフキンは広げて乾かしておいてくれないと臭くなっちゃうのに」と一人悶々としても、濡れたフキンのニオイを恐れる気持ちは、蒸し暑い日本の夏を経験したあなた以外には理解できない問題かもしれません。

その人が「気の利かない人」「不潔な人」であるとレッテルを貼ってしまうと、不潔な人とシェアするフラットは居心地の悪いものになり、あなただけ心を消耗することになります。

そこで「わたしが使う時間にはいつもフキンが湿ってるから、使い終わったら広げて乾かして置いてくれると助かるわ、ありがと!」といい人風な語り口で相手に直接伝えてみるなり、「わたしはいつでも清潔なフキンを使いたいから、洗濯はわたしが担当するわ」と決めるなり(それをみんなに告げるなり)、内緒で自分専用のフキンを用意して好き放題乾かすなり、何らかの対策を練るのです。

自分の部屋に篭って気心知れた日本の友人に「わたしのフラットメイト最低なのよ」と愚痴を言っても、解決はしないのです。

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違う文化で育った人には「これくらいは気づいてよ」が通用しないのはもちろん「ちゃんと言ったのになんで分かってくれないの」ということさえ度々起こります。

言葉にしなくても伝わることを期待できる環境に慣れていると、言葉にするのは勇気のいることとなります。そして使い慣れない外国語で頑張って伝えてみたところで思った効果がなかったときには、落ち込むこともあるでしょう。

さらに、日本人らしく気を利かせてやったことを都合よく利用されることも、なきにしもあらずです。そこで歯を食いしばって地団駄を踏んだり、みんなを嫌いになったり、伝え方が悪かったと自分を責めたりするくらいなら、「この人はこういう人なのね」と諦めて、合わない部分を気にしないように練習してみるというのも、異国での精神力と時間の効率的な使い方かもしれません。

海外旅行保険とNHS

留学で心配なことは色々あるかもしれませんが、やはり一番大切なのは、「健康」です。日本では、保険証がある方は日常生活の中で体調が悪くなったり、怪我をしたらどうしよう、と心配することはあまりないかもしれません。
しかし、海外では言語の問題もありますし、医療事情も異なりますので、体調管理はもちろんのこと、いざ病院に行くとなると、どんな手続きが必要なのか、しっかり理解しておかなければなりません。

多くの留学生は、民間会社の海外旅行保険に加入されるかと思います。
メリットとしましては、日本語での24時間対応をしているということ、指定の病院に行けば、キャッシュレスで診察、治療を受けることが出来ること、携行品の補償や通訳サービスもあることなどが挙げられます。その他にもプランによって様々な保障を受けることが出来ます。
保険証には緊急連絡先と、キャッシュレス対応可能な提携病院の情報などが記載されています。渡航前に必ず連絡先と病院のロケーションを確認しておきましょう。

こうした保険に加入しておくことで、安心して留学生活を楽しむことが出来ます。

さて、現地のイギリス人や長期滞在者はどうされているかというと、NHS(National Health Service)という政府が運営する国民保健サービスに加入しています。NHSは税収で賄われているため、原則無料で提供されています。そして、このサービスは、6か月以上イギリスに合法的に滞在するビザを持っている方であれば、留学生でも加入することが出来ます。
それでは、これから簡単に手続きの方法をご紹介いたします。

ステップ1

滞在先の近くで利用したい病院を見つける。
しかしどの病院でも良いわけではなく、GP(General Practitioner/家庭医又はかかりつけ医)を登録する必要があります。

ステップ2

登録後、Medical Card(医療カード)を受け取ります。カードにはNHS番号と担当医の名前が記されています。予約の際は、名前と生年月日を伝えるだけで良いのですが、大事なものですので、しっかり保管しておきましょう。

ステップ3

病院は基本的には予約制(電話または直接受付)です。予約なしでも大丈夫な場合もありますが、待ち時間が長くなります。

ステップ4

病院で処方された薬は、Boots(ブーツ)などのPharmacyと書かれた薬局屋に処方箋を持って行くと購入することができます。※ブーツとはイギリスのフランチャイズのドラッグストアです。日本でいう、マツキヨみたいなものですね。
イングランドにおいては、処方箋については、NHS でも支払いが必要であり、価格は量に関係なく、医薬品一種類につき 7.20 ポンド(2009 年 4 月より)です。

ステップ5

これで解決すれば良いのですが、もし、かかりつけの病院で治療が難しいと判断された場合は、総合病院に行くことになりまして、日本と同じく紹介状が必要になります。

NHSのメリットとしましては、なんといっても無料ということです。
しかし、紹介状がないと高度な治療を受けることが出来ないこと、予約が取りにくいこと、待ち時間が長いといったデメリットもあります。
こうしたことから、医療をNHSだけに頼るということはおすすめ出来ません。留学前に、必ず海外旅行保険には加入していくようにしましょう。