ロンドン留学の日々

イギリス・ロンドンの生活、文化、基礎知識を綴ります。留学・ワーキングホリデー・移住。

スーパーマーケットで買えるもの

ヘルシーな食生活に注目が集まる昨今のイギリスでは、オーガニック食材の入手も簡単になり、スーパーマーケットでも品質にこだわったブランドの確立に熱心です。

例えばSainsbury’sでは、So Organicというオーガニックラインや、Be Good To Yourselfというカロリー控えめの出来合い商品を揃えていますし、TescoやMorrisonsなどほとんどのスーパーの中型以上の店舗にはベーカリーが併設されていて、保存料たっぷり感の割と少ない、焼き立てパンやマフィンを買うことができます。

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また大型店舗では精肉カウンター(butcher’s counter)や鮮魚コーナー(fishmonger)で、パッケージされているものよりもバラエティも多く、新鮮で自由な量の購買が望める場合もあります。

特に鮮魚は日本ほど充実しているとは言えないかもしれませんが、ハドックやコッド(鱈)など庶民の味方の他、ホタテやサーモン大きい切り身など、パックで買うと値段と貧相な中身のバランスに寂しい気持ちになる品物も、少し良い状態で(きっと、あなたの精神状態も)持ち帰ることができるでしょう。

ムール貝などは安く買うことができ、エビも茹でたものも生もポピュラーなようですが、筆者はイカには悲しい思いをさせられています。

海辺の町に行くと丸ごと冷凍された生イカを見ることがありますが、ロンドンのスーパーマーケットでは、貧相なイカリング(茹で)片手一杯分ほどに4ポンド近くもの値がついていたりします。「ロンドンは海から遠いから仕方がないわよね」という皮肉の冗談で涙を拭いますが、スーパーマーケットで買うべきものではないという認識を持てば良いのでしょう。

精肉カウンターがある店舗では、パックされているお肉も通常より種類が豊富なことがあります。

だいたいどこにでもあるのはチキン、ビーフ、ポーク、ラム、ターキーなどですが、筆者の気に入りは精肉・鮮魚に力を入れているMorrisonsで、腿肉や胸肉といった通常の部位の他、鶏や牛のハツ(heart)や鶏の砂肝(gizzard)、豚の頬肉(pork cheek)、皮(pork skin)、牛骨髄(marrow)などが、きっと需要がないためにそれはそれは安く手に入ります。

日本食を振る舞うのに、いつも醤油か味噌味になってしまうわ、という人は、使用する肉の部位を変えてみるのはどうでしょうか。レバーはパテなどの人気から理解はあるようですが、特にハツなどは食べられることさえ信じられない、という人もいますので、面白い反応が見られるかもしれません。

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住宅街に近い個人商店や決まった曜日に開催されるマーケットなどでは、ボウルに一杯で1ポンドといった安い値段で野菜や果物を買うことができます。

オーガニック商品を扱うマーケットでは多少値が張りますが、特にこだわらなければスーパーで買うよりも格段に安く、特に果物は食べきれるかどうか心配になるような量が手に入るので、住む場所を決める際に近所にマーケットがあるかをチェックするのも新生活に役立つかもしれません。

筆者が暮らすアフリカ系移民の多い街では、ヤムイモやプランタンなどの野菜や、丸ごとの魚、ヤギの肉など、普通のスーパーマーケットでは手に入らないようなものも安く売っています。冷凍ではありますが、サバを丸ごと一匹1ポンドで購入したこともあります。

以前住んでいたアラブ系移民の多い街では新鮮なオクラが簡単に手に入りましたし、日本人の多い地域ではお刺身にできる魚を売っている日本食材スーパーがあるというように、同じロンドンの中でも街ごとの特色が出るマーケットを探究して、食生活を順応させていくのも面白いかもしれません。

さて日本を離れて気軽に生食できないものには、魚以外に卵があります。

イギリスでは、半熟卵をエッグスタンドに立てたまま上部だけ殻と白身を取り除いて、細長く棒状に切ったトーストを黄身に浸して食べるエッグ&ソルジャーという伝統的なメニューがありますが、やはり火を通すので、卵かけご飯が恋しい、という気持ちは残るものです。ポーチドエッグにしろ、温泉卵を作るにしろ、どうしてもあの濃厚な生卵のパンチは得ることができません。

サルモネラ菌が猛威を奮ったことがあるらしいイギリスでは、生卵は食べてはいけない、というのが通説でした。

それでも品質管理認証のライオン印がついている商品なら大丈夫らしい、またはオーガニック卵なら、など諸説あり、生卵の恋しさに耐えられなかった人がそれぞれ自己責任でチャレンジしてきたようですが、最近「ここ15年でサルモネラのリスクが低減し、現在では妊娠中の女性も生卵を摂取して問題ない(ライオン印が低リスク)、というリポートがありました(リンクはこちら)。

これで、日本の食事を恋しくなる理由がまたひとつ減るのでしょうか。