ロンドン留学の日々

イギリス・ロンドンの生活、文化、基礎知識を綴ります。留学・ワーキングホリデー・移住。

公共交通機関を乗りこなす

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24時間運転のバスがあちこちに走り、2016年からは週末に一部の地下鉄路線の運行も始まったロンドン。

特にセンター(街中)は 駅と駅の間隔が近く、地図で見るとなかなかの距離に見える移動も歩いて済ますことができることもしばしばです。また観光で訪れる際には乗りこなすのが少し難しいバスも、住み始めればかなり役に立つはずです。

毎年値上げしていた料金も、新市長が2020年までの一部凍結を決め、ちょっとしたバスの旅も新制度の導入で気軽に利用できるようになりました。物価の高さで身動きが取れないというイメージかもしれないロンドン生活ですが、基本情報を把握して、自信を持ってどんどん活用しましょう。

オイスターカード

ロンドンに着いてまず必要なのは、オイスターカード(Oyster Card)でしょう。日本でも浸透しているICカードで、電車、バス、トラム、はたまたテムズ川のRiverboatなど、ロンドンのあらゆる交通機関で利用することができます(ヒースロー空港からのヒースロー・エクスプレスなど高速の電車には使えません)。

購入は駅や、街中であればオイスターカードのサインが出ているコーナーショップで、またトップアップ(top up=日本でいうチャージ)は駅などの他、TFL(Transport For London)のサイトでカードの個別番号と自身の情報を登録しておけば、オンラインで自動トップアップの手続きすることも可能です。

最近ではコンタクトレス・カードといって、機械にかざすだけでPINナンバーの入力なしで課金制度が利用できるカードが銀行から発行されていますので、口座を開設してコンタクトレス・カードを使えるようになれば、わざわざオイスターカードを持ち歩いたり、トップアップの必要もなく利用できます。またApple PayやAndroid Payにも対応し始めたので、スマートフォンでコンタクトレスの乗車も可能になりました。

カードの購入やトップアップなど、慣れないうちは億劫かもしれないのにオイスターカードをお勧めする理由は、乗車の度に紙のチケットを購入する場合の半額くらいの価格だからです。チケットを購入すれば4.9ポンド(約700円)の中心地(Zone1)の移動が、オイスターカードを使えば約半額の2.4ポンドで済むのです。(2017年現在)

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基本として抑えておきたいのは、

  • 電車の乗車運賃は通過するゾーンによって変わってくるということ(Zone 1を通過するだけで高くなる)
  • 朝夕のラッシュアワーを避けたoff-peakタイムでは安く乗車できること(ピークタイムの設定時間帯は会社や路線によって異なる)
  • オイスターカードに入金されている金額が足りなくても、一回分は緊急時として使用することができること(入金額=バランスがマイナスになる。次の利用までにトップアップが必要)

などでしょうか。

語学学校などに入学して、週に15講義以上のフルタイムのコースを受講している場合は、写真付きの学生用ディスカウントカード(18+ Student card)を入手することができます。

実際にコースに通っているという証明が必要で、証明写真などを用意すれば学校が代理で手続きしてくれる場合もありますので、相談してみましょう。

通常の乗車(Single fare)に割引きはききませんが、一週間ごと、月ごと、一年単位の定期乗車料(情報はICカードに書き込まれますが、Travel Cardと呼ばれます)の支払いの際に、30%近い割引がききます。

またPay as you go(日本でいうプリペイド=先に入金しておいて利用の都度課金されるシステム=定期でなければこちらの利用法です)で乗車の場合は、daily capといって、一日(またはコンタクトレスの場合は一週間でも計算されます)に一定額(Zone 1-2なら6.6ポンド/日、33ポンド/週)以上利用すると、それ以上は課金されない仕組みになっています。

通常、オイスターカードをタッチするパネルは黄色です。脇にある緑のランプ点灯時に読み取り可能、電車など改札口がある場合はゲート入場と退場両方でタッチ、バスは乗車時のみ読み込ませます。

古い型の四角いバスでは前方から乗り込む際に運転席脇にあるカードリーダーにかざしますが、最近復活してあちこちで走っているルートマスター(Route Master=丸っこい車体と、後部にも扉があるタイプ)形の車両では、真ん中と後部の乗降口にもリーダーが設置されていますので、どこから乗っても自由、カードのタッチだけは忘れないようにしましょう。

Zone 2より外の、他の路線に乗り換えができる駅のプラットフォームには、ピンク色のリーダーがあります。

それはZone 1を避けた利用をする乗客向けで、例えば西から東へ行く時など、ロンドンの真ん中を突っ切ることが可能な旅程であっても、大回りの電車(Overgroundなど)を利用してZone 2だけ通って目的地に辿り着くような場合は、乗り換えの際にタッチしておくと、チャージされる金額が格段に安くなります。

ひと駅分でもZone 1を通る路線に乗ってしまうと無効になりますが、時間に余裕がある時などはプランを練って安く移動するのも手です。

バス、トラムに乗る

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バスとトラムの一回の乗車料金は1.5ポンドです。以前はバスの運転手に現金を支払って乗車することができましたが、交通渋滞を避けるため現在では現金は使用できません。

トラムの場合、オイスターカードなしでも券売機で紙のチケットを買うことができますが、その場合2.6ポンドもします。やはりオイスターカードが必要です。

バスでは時々、カードリーダーが壊れている時がありますが、運転手が「いいよいいよ」と乗せてくれたりしますので、その場合は一回分の乗車料が浮いた喜びを噛み締めましょう。

それとは逆に、料金をしっかり払ってバスに揺られている最中に、突然降ろされることがあります。”This bus terminates here. (ここが終点です)”と突然アナウンスされたり、目的地が掲げていた先と違う場所(途中だったり工事のための迂回だったり)に変更されるのです。

車両のトラブルの場合もあります。そのような時は、他の乗客の様子をしっかり見ましょう。大抵の場合、降ろされたバス停で次のバスを待つのですが、アクシデントの場合はバスが走行不可能となった場所(降ろされた場所)から最寄りのバス停まで歩かなくてはならないこともあります。

下車の際は運転手の脇を通ると良いでしょう。ロンドンの人でも知らない人がいるようですが「途中下車させられた証明チケット」をもらえば、乗り換えた次のバスにはそれを見せるだけで乗ることができます。

前を行く人が何ももらっていなくても、勇気を出して運転手に”Can I have a ticket for the next bus?”などと言ってみましょう。もし忘れても、他の乗客が既に説明して乗り込んでいたり、またはバス会社からの連絡で代理で送られたバスの場合は運転手も状況を把握しているので大丈夫な場合がほとんどですが、案外多いバスのトラブルに負けず、旅をコンプリートしてください。

またロンドンの新しい市長が、Hopper fareというシステムを導入しました。同じカードを使えば、1時間以内であれば2回分の乗車が1回分の1.5ポンドで済むのです。一度目の乗車の際にオイスターカードの残高が足りずにマイナスになっている場合は、Hopper fareが適用されない(オイスターカード自体が使えない)ので注意してください。

最後に、TFL内の情報ページへのリンクです。軽やかなロンドンの移動を楽しんでください。

次に来るバスのライブ情報を得られるスマートフォンのアプリもあります。