ロンドン留学の日々

イギリス・ロンドンの生活、文化、基礎知識を綴ります。留学・ワーキングホリデー・移住

お茶を飲む

イギリスでお茶を飲むと言って思い浮かぶのは、アフタヌーンティーでしょうか。

そもそも貴族の嗜みだったこのお茶タイム、ちょっとしたマナーがあるようです。

基本的には小さなサンドイッチ、スコーン、ティーケーキの3種類がこれまた小さなお皿に乗せられ、三段重ねのトレイで運ばれてきます。

下の段から食べ始め、ポット入りの紅茶はまずはストレートで、二杯目からはミルク入りで、がお上品らしいですよ。

入店にドレスコードがあったり、有名店では予約が必要だったりするので、事前にリサーチして準備万端で望みたいところです。

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ピカデリーサーカスにある老舗フォートナム・アンド・メイソン(Fortnum & Mason)のティールームでは、予約制で44ポンドからアフタヌーンティーが楽しめます(予約はこちら)。

つまり、お財布の準備も必要です。メイフェアのスタイリッシュなラウンジ、ザ・スケッチ(The Sketch)では、ギャラリーでのアート鑑賞やレストランとしての利用もでき、ロンドンでのお洒落な一日を楽しめます。ですがバレンタインデーや母の日などイベントのシーズンのアフタヌーンティーは一人につき75ポンドと特別価格が設定されていますので、予約の際は注意してください。

面白いのはBベイカリー(B Bakery)によるアフタヌーンティー・バスツアーでしょうか。古いルートマスターに乗って、お茶をしながらロンドン・アイ、ビッグ・ベン、国会議事堂やウェストミンスター寺院、バッキンガム宮殿からハイドパークをぐるっと回って観光ツアーが楽しめます。

また夏にはボートに乗ってテムズ川を行くアフタヌーンティー・ツアーも提供されるので、一味違った体験をしたい方にはおすすめです。

ちょっぴり華麗な「イギリス体験」となるアフタヌーンティーですが、紅茶は市民の生活にも深く根付いており、家庭用のティーバッグが手頃な価格で販売されています。

有名なのはPG Tips、Typhoo、Yorkshire Tea辺りでしょうか。紅茶専門店の高級なものではなく、これらの庶民的プライスの気に入ったブランドを飲み続けるという人が多く、お土産やプレゼントで貰った趣向の違うお茶が生活に入り込むスキがない、という気がします。

日本語の紅茶は「紅」という字を含んでいますが、イギリスの紅茶はBlack Teaと呼ばれます。イギリスで赤い茶、red teaは主にルイボスティーを指すようで、緑茶=グリーンティーはミント入りなど様々な変わり茶となっていることもあります。

イーストロンドンの筆者の周りでは、庶民の紅茶はだいたいミルク入りという印象です。

美味しくなくて飲めないから牛乳を入れて味をごまかすんだよ、と教えられたのが冗談なのかどうかは未だにわかりませんが、ティーバッグをスプーンでぎゅうぎゅう絞る姿に戸惑う必要はありません。

マグカップに濃く淹れた紅茶にミルクと砂糖を入れる、労働者が休憩時間に飲むタイプのお茶が「ビルダーズ・ティー(builder’s tea)」と呼ばれて市民権を得ているイギリスです。

ティーポットに茶葉を泳がせて、繊細なティーカップに注ぐなどいった優雅なお茶の入れ方をするのは映画の中の話なのだな、と信じるようになりました。

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一杯のお茶を”a cup of tea”と呼ぶことはご存知かもしれません。それが短くなって”cuppa(カパ)”とも言われるので、お茶でもどう?という時、”Would you like a cuppa?””Do you fancy a cuppa?”もしくはシンプルに”Cuppa?”と聞かれることもあるでしょう。

また、”put the kettle on”と言えば「やかんでお湯を沸かす」という意味ですが、お湯を沸かす目的と言えば…そう、お茶を入れることです。ですから誰かに”Can you put the kettle on?”と言われて電気ケトルのスイッチを入れただけでいたら、紅茶が運ばれてくるのを待ち続ける人がいるかもしれません。

またteaと言って、夕食を意味することもあります。主に北部ではまだその言い方が残っているようですが、北部訛りの人に「今日午後にうちにおいでよ、一緒にteaでもどう?」と言われたら、そのteaが何を意味するのか確認してみてはいかがでしょう。

Teaが食事かもしれないという文化に理解を示す外国人を、もしかしたら気に入ってくれるかもしれません。

今世紀に入ってからはハーブティーやコーヒーの人気に押されて、消費量が減ってきたと言うイギリスの紅茶文化ですが、日本で「お茶をする」という言い回しに「コーヒーを飲む」可能性が含まれているのと同様、cuppaがコーヒーを意味する場合もあります。

日本でのコーヒー文化を考えると、ロンドンを歩き回る際、または日本からのゲストを観光に連れて回る際、コーヒー休憩が嬉しいことがあるかもしれません。

ロンドンのカフェ事情は、日本とあまり変わりません。スターバックスを初めチェーン店が至る所にあり、「ロンドンに来たからにはアフタヌーンティー」というガイドブックの高いハードル設定に疲れた時には、気軽に一服することができます。

また多くの店舗にお店の中だけでなく外にも椅子とテーブルがあって、特に夏場はのびのびと休憩することができますし、持ち帰りにして公園に座ってゆったり飲むというのも、ロンドンを満喫する良い方法でしょう。

筆者はスターバックス派ではないので詳しいメニューはわかりませんが、メニューも日本とそれほど変わりがないのではないでしょうか。

他にえんじ色がトレードマークのCOSTA(コスタ)、ブルーのCafe Nero(カフェ・ネロ)などが人気で、共にスタンプカードでポイントを貯めて無料の一杯を目指すことになります。

特にカフェネロはスタンプ10個で一杯無料なのですが、陽気な店員さん(なるべくイタリア人を採用しているようです)にスタンプをサービスしてもらえることも多いので、割りと早く無料の一杯に辿り着く気がします。

生クリームたっぷりでアイスを砕いた「冷たいミルク入りコーヒー」を提供するネロと比べ、コスタでは日本でいう「アイスカフェラテ」に近いものが飲めるので、筆者の夏の気に入りです。

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面白いのは、ロンドンのカフェで持ち帰り(take away)を注文すると、お店で陶器のカップで飲むより安くすむことです。

紙コップ代で高くなるのかと思いきや、食器を洗う労働力(たいがい食器洗浄機ですが)に課金される模様です。

チェーンのコーヒー店では、ケーキやマフィン、サンドイッチなどの他、店舗によってはパスタや温めてもらうパニーニなどを販売しているところもあります。

またどこをとっても絵になるような個人経営のお洒落なカフェも多くあります。

高い値段設定で小さなカップにちょっとだけのコーヒーを手渡されるその環境に、ちょっと悔しい気がしながらも通ってしまうのは、やはりチェーン店とは違った味を提供しているからかもしれません。

素敵なお店でも自宅でも、日本にいた頃と同じくらいくつろげる環境がロンドンで整いますように。