ロンドン留学の日々

イギリス・ロンドンの生活、文化、基礎知識を綴ります。留学・ワーキングホリデー・移住。

お茶を飲む

イギリスでお茶を飲むと言って思い浮かぶのは、アフタヌーンティーでしょうか。

そもそも貴族の嗜みだったこのお茶タイム、ちょっとしたマナーがあるようです。

基本的には小さなサンドイッチ、スコーン、ティーケーキの3種類がこれまた小さなお皿に乗せられ、三段重ねのトレイで運ばれてきます。

下の段から食べ始め、ポット入りの紅茶はまずはストレートで、二杯目からはミルク入りで、がお上品らしいですよ。

入店にドレスコードがあったり、有名店では予約が必要だったりするので、事前にリサーチして準備万端で望みたいところです。

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ピカデリーサーカスにある老舗フォートナム・アンド・メイソン(Fortnum & Mason)のティールームでは、予約制で44ポンドからアフタヌーンティーが楽しめます(予約はこちら)。

つまり、お財布の準備も必要です。メイフェアのスタイリッシュなラウンジ、ザ・スケッチ(The Sketch)では、ギャラリーでのアート鑑賞やレストランとしての利用もでき、ロンドンでのお洒落な一日を楽しめます。ですがバレンタインデーや母の日などイベントのシーズンのアフタヌーンティーは一人につき75ポンドと特別価格が設定されていますので、予約の際は注意してください。

面白いのはBベイカリー(B Bakery)によるアフタヌーンティー・バスツアーでしょうか。古いルートマスターに乗って、お茶をしながらロンドン・アイ、ビッグ・ベン、国会議事堂やウェストミンスター寺院、バッキンガム宮殿からハイドパークをぐるっと回って観光ツアーが楽しめます。

また夏にはボートに乗ってテムズ川を行くアフタヌーンティー・ツアーも提供されるので、一味違った体験をしたい方にはおすすめです。

ちょっぴり華麗な「イギリス体験」となるアフタヌーンティーですが、紅茶は市民の生活にも深く根付いており、家庭用のティーバッグが手頃な価格で販売されています。

有名なのはPG Tips、Typhoo、Yorkshire Tea辺りでしょうか。紅茶専門店の高級なものではなく、これらの庶民的プライスの気に入ったブランドを飲み続けるという人が多く、お土産やプレゼントで貰った趣向の違うお茶が生活に入り込むスキがない、という気がします。

日本語の紅茶は「紅」という字を含んでいますが、イギリスの紅茶はBlack Teaと呼ばれます。イギリスで赤い茶、red teaは主にルイボスティーを指すようで、緑茶=グリーンティーはミント入りなど様々な変わり茶となっていることもあります。

イーストロンドンの筆者の周りでは、庶民の紅茶はだいたいミルク入りという印象です。

美味しくなくて飲めないから牛乳を入れて味をごまかすんだよ、と教えられたのが冗談なのかどうかは未だにわかりませんが、ティーバッグをスプーンでぎゅうぎゅう絞る姿に戸惑う必要はありません。

マグカップに濃く淹れた紅茶にミルクと砂糖を入れる、労働者が休憩時間に飲むタイプのお茶が「ビルダーズ・ティー(builder’s tea)」と呼ばれて市民権を得ているイギリスです。

ティーポットに茶葉を泳がせて、繊細なティーカップに注ぐなどいった優雅なお茶の入れ方をするのは映画の中の話なのだな、と信じるようになりました。

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一杯のお茶を”a cup of tea”と呼ぶことはご存知かもしれません。それが短くなって”cuppa(カパ)”とも言われるので、お茶でもどう?という時、”Would you like a cuppa?””Do you fancy a cuppa?”もしくはシンプルに”Cuppa?”と聞かれることもあるでしょう。

また、”put the kettle on”と言えば「やかんでお湯を沸かす」という意味ですが、お湯を沸かす目的と言えば…そう、お茶を入れることです。ですから誰かに”Can you put the kettle on?”と言われて電気ケトルのスイッチを入れただけでいたら、紅茶が運ばれてくるのを待ち続ける人がいるかもしれません。

またteaと言って、夕食を意味することもあります。主に北部ではまだその言い方が残っているようですが、北部訛りの人に「今日午後にうちにおいでよ、一緒にteaでもどう?」と言われたら、そのteaが何を意味するのか確認してみてはいかがでしょう。

Teaが食事かもしれないという文化に理解を示す外国人を、もしかしたら気に入ってくれるかもしれません。

今世紀に入ってからはハーブティーやコーヒーの人気に押されて、消費量が減ってきたと言うイギリスの紅茶文化ですが、日本で「お茶をする」という言い回しに「コーヒーを飲む」可能性が含まれているのと同様、cuppaがコーヒーを意味する場合もあります。

日本でのコーヒー文化を考えると、ロンドンを歩き回る際、または日本からのゲストを観光に連れて回る際、コーヒー休憩が嬉しいことがあるかもしれません。

ロンドンのカフェ事情は、日本とあまり変わりません。スターバックスを初めチェーン店が至る所にあり、「ロンドンに来たからにはアフタヌーンティー」というガイドブックの高いハードル設定に疲れた時には、気軽に一服することができます。

また多くの店舗にお店の中だけでなく外にも椅子とテーブルがあって、特に夏場はのびのびと休憩することができますし、持ち帰りにして公園に座ってゆったり飲むというのも、ロンドンを満喫する良い方法でしょう。

筆者はスターバックス派ではないので詳しいメニューはわかりませんが、メニューも日本とそれほど変わりがないのではないでしょうか。

他にえんじ色がトレードマークのCOSTA(コスタ)、ブルーのCafe Nero(カフェ・ネロ)などが人気で、共にスタンプカードでポイントを貯めて無料の一杯を目指すことになります。

特にカフェネロはスタンプ10個で一杯無料なのですが、陽気な店員さん(なるべくイタリア人を採用しているようです)にスタンプをサービスしてもらえることも多いので、割りと早く無料の一杯に辿り着く気がします。

生クリームたっぷりでアイスを砕いた「冷たいミルク入りコーヒー」を提供するネロと比べ、コスタでは日本でいう「アイスカフェラテ」に近いものが飲めるので、筆者の夏の気に入りです。

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面白いのは、ロンドンのカフェで持ち帰り(take away)を注文すると、お店で陶器のカップで飲むより安くすむことです。

紙コップ代で高くなるのかと思いきや、食器を洗う労働力(たいがい食器洗浄機ですが)に課金される模様です。

チェーンのコーヒー店では、ケーキやマフィン、サンドイッチなどの他、店舗によってはパスタや温めてもらうパニーニなどを販売しているところもあります。

またどこをとっても絵になるような個人経営のお洒落なカフェも多くあります。

高い値段設定で小さなカップにちょっとだけのコーヒーを手渡されるその環境に、ちょっと悔しい気がしながらも通ってしまうのは、やはりチェーン店とは違った味を提供しているからかもしれません。

素敵なお店でも自宅でも、日本にいた頃と同じくらいくつろげる環境がロンドンで整いますように。

日本食が恋しい時

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限られた生活費で食い繋いでいかなくてはならない留学生活。ラーメン屋さんや庶民的な価格設定の日本食レストランも増えましたし、昨今の日本食ブームの定着で日系のお店に行かなくとも普通のスーパーマーケットやテイクアウェイでお寿司などを手に入れることができるようになりましたが、それでもラーメンに10ポンドも出すのは財布が許さない、「人参入りの手巻き寿司風の何か」をお寿司と呼ぶわけにはいかない、という人もいることでしょう。

そのような場合は、自分で日本食風の何かを安く作るという方法があります。そもそも日本と違って硬水であるため出汁をとるのからして難しいという話もありますが、そうは言っても、嬉しいことに自炊での日本食作りも大変楽になってきました。

日本の食材を買うことができる店は、ロンドンであれば幾つか選択肢があります。

まずは中心部にあるJapan CentreRice Wine Shop、西部・北部などに店舗を構えるAtari-Yaといった日系のお店に行く、またはオンラインショッピングを利用するというのが簡単でしょう。

ですが少々値が張りますので、筆者の場合は日本から買ってくることができなかったものや緊急で必要なものなどを買いに行って、予定していなかったものまで購入してあとで頭を抱える、という使い方をしています。

このようなお店ではほとんど何でも手に入ると言っても差し支えないでしょう。調味料から冷凍食品、お米や長芋などのお野菜、手作りお惣菜などの他、イギリスのお肉屋さんでは売っていない薄切り肉やお刺身を扱っているお店もあります。ですから、ロンドンの日本食生活はほぼ安泰です。

またTescoやSainsbury’s、Morrisonsなど「いつものスーパーマーケット」にも、今や必ずと言っていいほどアジアン・コーナーがあり、キッコーマンのお醤油や、イギリスで日本食の輸入業を営むTazaki FoodsのブランドYutakaの商品などを気軽に買うことができます。出前一丁のようなインスタントラーメンや日本のビールも、特にアジアと構えてもいない普通のコーナーで売られていたりします。

筆者は、ごま油はわざわざ日系のお店の日本のブランドを買わずに各スーパーのブランドのToasted Sesame Oilで済ませますし(ゴマ:sesameも買えます)、お米もSushi Riceとしてスーパーのアジアン・コーナーで売られているものよりも、イギリス人がライス・プディングという甘いおかゆ的デザートを作るのに使用するPudding Riceで代用しています。Basmati米など美味しくて安い長粒米もありますが、日本のお米が恋しい時はねばりがでる短粒米が役に立ちます。

そして500グラム1ポンド程のプディングライスのお得感。特にフラットシェアなどで5キロのお米を保管するスペースがない生活の場合や、気前よく買った日本米完食時の緊急ライスとしてもおすすめです。筆者は話に聞いていたこの商品がアジア食品コーナーにも穀物コーナーにも見つからず、やはり日本の皆さんが通うWaitroseやMarks & Spencerのような少し高級なスーパーに行かなくてはいけないのか…と庶民の味方の安スーパーの片隅で途方に暮れたことがありましたが、デザートコーナーを探してみると良いでしょう。だいたいスーパーのオリジナルブランドが少なくとも一商品は扱われているでしょう。

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普通のスーパーでは、他にもネギの代わりに使えるspring onion(またはsalad onionとも呼ばれる)や、キャベツも手に入ります。日本のような丸いキャベツはどの葉をとってももれなく固く、火を通す以外に方法が見つかりませんが、写真のように先が尖ったsweetheart cabbage(またはpointed cabbageという名)は、千切りにして生で食べたり、日本のキャベツと同じ使い方をすることができます。

また、どうしても今日だけは薄切り豚肉でなくてはイヤ、というときにはunsmoked bacon(スモークされていないベーコン)がまあまあ良い仕事をします。ベーコン感は拭えませんが、普通のベーコン(smoked bacon)ほど塩辛くないので、多少煮込んだり味付けをしても食べられるレベルだと判定しました。

そして生っぽい海の味が欲しい、という時には。スモークサーモンがなかなか役に立ちますが、筆者はよくtrimmed smoked salmon(切れ端)を買います。

スモークサーモンと同じコーナーに小さめのパックで並べられており、かなりお安く売っています。刻む必要がないので、空腹で日本食レストランの脇を通って帰宅した時などの緊急時、パックを開けてそのままネギやごま油と和えて冷凍しておいたご飯に乗せて食べたりします。

鯖(mackerel)やマス(trout)などをスモークしたものも、真空パックで2ポンド程で買うことができますので、フライパンで炒めていつも見る野菜のお浸しのような日本風の付け合せを添えれば、食卓はほぼ和になるでしょう。

もやし(bean sprouts)や生姜、白菜(Chinese cabbage)も普通に売っていますし、少々大味で水っぽい巨大キュウリ、皮が固いので少し長めの調理が必要な特大なすびにほうれん草(サラダ用に葉っぱの部分のみパックにされていることが多い)なども「いつものスーパー」で手に入るものは本当に多いので、醤油や出汁のもとなど基本の調味料があれば、日本の味は夢見るほど遠くはないでしょう。

最後に、チャイニーズ・スーパーマーケットに行くという方法もお伝えしておきます。大根や日本風の梨(最近ではよく普通のスーパーでも見かけますが)などの他、うどんや素麺なども数種類の取り扱いがあったり、イギリス系のスーパーでは滅多に見ない丸ごとのイカやカニなども売っているかもしれません。調味料やスナック菓子も、日本を思い出させる味が少し安めに手に入るので、近所にあれば是非活用してみてください。

次の帰国時まで、あなたの胃袋がホームシックになりませんように。

イギリスの食事は本当にまずいの?

イギリスの食事は不味い、と言う人は、ここしばらくイギリスを訪れたことがない人なのでははいでしょうか。

確かに今ほど安心して知らない店に飛び込めない時代もありましたが、2000年辺りから食のクオリティが上がってきた、というのが、筆者の周囲のイギリス人及び外国人の意見です。

つまりそれ以前に日本から訪英して、以来20年近く一度もイギリスの地を踏んでいない人は、残念な食事をした思い出で終わっている可能性があると考えられます。

例えば1ポンド300円時代であったなら、現代なら700円前後の感覚である5ポンドの格安外食メニューに、1500円も払った記憶になるのです。5ポンドの食事に質を期待しないのならば、20ポンドくらい奮発してまあまあな一皿を食べようにも、日本円で考えると6000円。相当上品な体験を期待したところで、ありつけるのはまあまあな食事、という具合であったことでしょう。

インド人やイタリア人が営むレストランなら安心、という説もありましたが「イギリスに来たならピザ食べなきゃ!」「イギリスのストリートフード、カレー」などと謳うガイドブックがあったとも思えませんので、街中の観光客向けレストランや、髪の毛の絡まったやつれたお母さんが営む薄暗いパブに飛びこんで、頬を濡らしながら食べもの風の何かを喉に流し込んだのかもしれません。

90年台の終わりにシェフJamie Oliverが出現し、食の改革に取り組み始めたり、Gordon Ramseyなどがセレブレティ・シェフというキャラクター付けで脚光を浴びたことで、イギリス人の食への興味と、一般家庭での料理への情熱が高まってきたと言えるでしょう。

それから10年20年経て、今でこそ家でも外でも健康で美味しい食事を求める風潮が定着しましたが、変革の途中では、ホームステイやホームパーティに招かれた家で、くたくたに茹ですぎていない野菜やのびきっていないパスタを振る舞われる可能性は、それ程高くなかったと思われます。ですから「イギリスの食事は不味い」と断言する人には、残念な体験をしたその人の不運を考慮して、優しい気持ちで接してあげてください。

現在のイギリスでは、オーガニックレストランや、ガストロパブと言われる美味しい料理を出すことを売りにしたパブが至る所に開店し、庶民が近場で満足な食事をすることも難しくはありません。ですが、当時の日本人なら残念な体験として封印したかもしれない、けれども懐かしいような不思議な感情を掻き立てる味に触れることも、まだまだ可能です。

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例えばウナギパイやウナギのゼリー寄せ(jellied eel)。蒲焼の国からやってきた人には、半透明な塩味ゼリーに閉じ込められたウナギには悲しい水っぽさを感じるかもしれませんが、写真のイースト・ロンドンはLeytonstoneにあるEel & Pie Houseでは、特に外はサクサク中はふっくらでもないパイ(肉もあります)とマッシュポテトやマッシュされたグリンピースを3ポンド以下で食べられます。

その昔の庶民の味を想像するのにもってこいです。筆者はこれが大好きで、2016年11月にロンドンのパイ&マッシュのお店を特集したTimeOutに敬礼をしたいところです。

イギリスといえばフィッシュ&チップスもよく知られていますが、2009年にはリーズ大学の科学者がチップス(フライドポテト)のニオイの成分は「バタースコッチ、ココア、玉ねぎ、花、チーズ、アイロン台」であると分析、発表しています(yorkshire post)。今ドキの洒落た人の中にはフィッシュ&チップスを臭いという人もいるようですが、この使い道の見えない研究結果は、イギリス庶民の胃袋の理解に役立つでしょうか。

また筆者は、パイ皮の代わりにマッシュポテトでミンチ肉を覆ったシェパーズ・パイの付け合せに茹でたジャガイモ、茹で人参にマッシュキャロット、といった強引な一皿に出会ったこともあります。昨今流行りのおしゃれなレストランでは見られない、洗練されていない素朴な料理は、イギリスでの生活を愛しく思うのに欠かせないアイテムかもしれません。

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料理の美味しさは個人の観点でしかないので、一概に批評することはできません。安かろうが高かろうが、自分なりの「値段と釣り合う胃袋の満たされ方」を見つけることが重要ではないでしょうか。

シェアハウスをする際の心構え

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日本でも最近人気のシェアハウスですが、イギリスや欧米諸国の学生の間では学生寮と並んで、人気の滞在方法です。(イギリスではフラットシェアが一般的です)特に、ロンドンは様々な国籍の方が住んでいますので、シェアメイトの国籍もみんな違う!ということもあるかもしれません。

物件を探す方法としましては、インターネットの生活情報サイトや現地の不動産会社を通じてというような形が一般的です。

ホームステイや寮とは違って、国籍や年齢も入居前に多少は選ぶことが出来ます。中には、日本人同士の方が、清潔で生活習慣も合う、ということで日本人のみでシェアしている方も多いです。

家賃の高いロンドン

オンライン家計管理アプリを提供するSplittableのリポートによると、2ベッドルームのフラットの平均家賃は一ヶ月1400ポンド(ビール360パイント分だそうですよ)、1ベッドルームでも1200ポンドだということです。

為替相場によって日本円での価値は変動しますが、2016年末の1ポンド145円程度のレートですと、キッチン別の寝室一部屋のフラットで17万円を超えということになります。そうした家賃の高さゆえ、20歳から34歳のヤング・プロフェッショナルの25%が、実家住まいを余儀なくされているそうです。

実家に居候することができない社会人はフラットシェアをするわけですが、これは学生でも、日本からの留学生でも同じです。そして厳しいことに、家賃は600から1000ポンドを払う覚悟が必要だとも述べています。

ロンドンは世界でも最も家賃が高額な都市のひとつで、ワンルームアパートの場合でも、比較的安全で中心部から遠すぎない場所とすると上記の上限近くを支払うことになりますし、仮に為替が1ポンド180円にまで円安に振れるとすると更に悲惨です。

尚、日本で言うワンルーム、一部屋にキッチン、バスルーム等が付いているものはStudio Flatと言います。

ただ、Studio Flatの場合、大抵バスタブはなく、シャワールームだけの場合が多いです。

そして1LDKの様に、寝室の他にリビングルームとしてもう一部屋あり、キッチン、バスルームが付いているものは1 Bedroom Flatと呼びます。その寝室の数が増えると2 Bedroom Flat、3 Bedroom Flat等と言うように、呼び名も変わってきます。

シェアハウスのメリットは、立地、設備、家賃などを自由に選ぶことができるという点、入居前に内覧が出来るという点、滞在費を抑えられるということなどです。しかし、一方でのすべて個人の責任になるので注意が必要です。

インターネット経由での契約の場合は、ウェブサイト掲載情報と実際のお部屋の状況が全く異なるケースや、架空のお部屋情報を掲載して、お金をだまし取ろうとするケースがあります。生活の基盤になる住居は必ず、実際に物件を見に行き、オーナーと話をしたうえで決定しましょう。

実際のシェア体験談はというと・・・

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筆者は、東京でいう下町のような立ち位置だったイースト・ロンドンにて、最大で7人でハウスシェアをしたことがあります。

昔は荒んでいた代わりに物価も安かった地域ですが、おしゃれな若者たちが流れ込んできたお陰で治安も家賃もうなぎ上り、と地元の人がジレンマを隠せないでいる、ハックニーというエリアです。月850ポンドも払っていました。

実際に「ハックニーに住みたい」という人がいるものですから、家賃を高く設定しても借り手がいるのです。広告を出してすぐに内見の予約が山ほど入り、見学に来てから「シェアする人数が多すぎる」などという理由で辞退する人がいても、必ずまた他の誰かが借りたいと言ってくるので、家賃を下げる必要がないのです。

2つのトイレ、シャワールームと台所は共有でしたが、大きなキッチンは数人で同時に使用できるうえ、冷蔵庫を含め十分な収納が割り当てられており、特に不便だと思ったことはありませんでした。同居人たちのスケジュールがわかっているので、シャワーの使用時間がかぶりそうになったら相談するか、ちょっと早めに起きたりして時間をずらしてやりくりします。

人によっては共有の場所を汚しっぱなしにしたりしますので、時には腹の立つこともあります。そのような場合は話をつけるか、メモに文句を書いて置いておくか、または自分自身が気持ちよく使うためにせっせと掃除や片づけをする、というのが解決法の数例です。

「あらごめん、次から気をつけるね」と言って本当に気をつけてくれる人、気をつけると言ってくれるだけの人、気をつけるともごめんとも言ってくれない人、それぞれいることでしょう。そこで人の反応にいちいち憤っていては、異文化で育った人と生きていくのに自分が窮屈になるだけです。そしてよく考えてみると、外国に来ている異邦人はむしろ自分の方です。

人を変えようと思わず「自分が居心地の良い環境を、自分のために作る」という枠を意識して行動すると、理不尽な他人の言い分に感情移入する線引の設定ができると思います。

例えば、ハウスメイトが使い終わったフキンを湿ったままテーブルに置きっぱなしにする日々にうんざりしているとき。

「濡れたフキンは広げて乾かしておいてくれないと臭くなっちゃうのに」と一人悶々としても、濡れたフキンのニオイを恐れる気持ちは、蒸し暑い日本の夏を経験したあなた以外には理解できない問題かもしれません。

その人が「気の利かない人」「不潔な人」であるとレッテルを貼ってしまうと、不潔な人とシェアするフラットは居心地の悪いものになり、あなただけ心を消耗することになります。

そこで「わたしが使う時間にはいつもフキンが湿ってるから、使い終わったら広げて乾かして置いてくれると助かるわ、ありがと!」といい人風な語り口で相手に直接伝えてみるなり、「わたしはいつでも清潔なフキンを使いたいから、洗濯はわたしが担当するわ」と決めるなり(それをみんなに告げるなり)、内緒で自分専用のフキンを用意して好き放題乾かすなり、何らかの対策を練るのです。

自分の部屋に篭って気心知れた日本の友人に「わたしのフラットメイト最低なのよ」と愚痴を言っても、解決はしないのです。

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違う文化で育った人には「これくらいは気づいてよ」が通用しないのはもちろん「ちゃんと言ったのになんで分かってくれないの」ということさえ度々起こります。

言葉にしなくても伝わることを期待できる環境に慣れていると、言葉にするのは勇気のいることとなります。そして使い慣れない外国語で頑張って伝えてみたところで思った効果がなかったときには、落ち込むこともあるでしょう。

さらに、日本人らしく気を利かせてやったことを都合よく利用されることも、なきにしもあらずです。そこで歯を食いしばって地団駄を踏んだり、みんなを嫌いになったり、伝え方が悪かったと自分を責めたりするくらいなら、「この人はこういう人なのね」と諦めて、合わない部分を気にしないように練習してみるというのも、異国での精神力と時間の効率的な使い方かもしれません。

海外旅行保険とNHS

留学で心配なことは色々あるかもしれませんが、やはり一番大切なのは、「健康」です。日本では、保険証がある方は日常生活の中で体調が悪くなったり、怪我をしたらどうしよう、と心配することはあまりないかもしれません。
しかし、海外では言語の問題もありますし、医療事情も異なりますので、体調管理はもちろんのこと、いざ病院に行くとなると、どんな手続きが必要なのか、しっかり理解しておかなければなりません。

多くの留学生は、民間会社の海外旅行保険に加入されるかと思います。
メリットとしましては、日本語での24時間対応をしているということ、指定の病院に行けば、キャッシュレスで診察、治療を受けることが出来ること、携行品の補償や通訳サービスもあることなどが挙げられます。その他にもプランによって様々な保障を受けることが出来ます。
保険証には緊急連絡先と、キャッシュレス対応可能な提携病院の情報などが記載されています。渡航前に必ず連絡先と病院のロケーションを確認しておきましょう。

こうした保険に加入しておくことで、安心して留学生活を楽しむことが出来ます。

さて、現地のイギリス人や長期滞在者はどうされているかというと、NHS(National Health Service)という政府が運営する国民保健サービスに加入しています。NHSは税収で賄われているため、原則無料で提供されています。そして、このサービスは、6か月以上イギリスに合法的に滞在するビザを持っている方であれば、留学生でも加入することが出来ます。
それでは、これから簡単に手続きの方法をご紹介いたします。

ステップ1

滞在先の近くで利用したい病院を見つける。
しかしどの病院でも良いわけではなく、GP(General Practitioner/家庭医又はかかりつけ医)を登録する必要があります。

ステップ2

登録後、Medical Card(医療カード)を受け取ります。カードにはNHS番号と担当医の名前が記されています。予約の際は、名前と生年月日を伝えるだけで良いのですが、大事なものですので、しっかり保管しておきましょう。

ステップ3

病院は基本的には予約制(電話または直接受付)です。予約なしでも大丈夫な場合もありますが、待ち時間が長くなります。

ステップ4

病院で処方された薬は、Boots(ブーツ)などのPharmacyと書かれた薬局屋に処方箋を持って行くと購入することができます。※ブーツとはイギリスのフランチャイズのドラッグストアです。日本でいう、マツキヨみたいなものですね。
イングランドにおいては、処方箋については、NHS でも支払いが必要であり、価格は量に関係なく、医薬品一種類につき 7.20 ポンド(2009 年 4 月より)です。

ステップ5

これで解決すれば良いのですが、もし、かかりつけの病院で治療が難しいと判断された場合は、総合病院に行くことになりまして、日本と同じく紹介状が必要になります。

NHSのメリットとしましては、なんといっても無料ということです。
しかし、紹介状がないと高度な治療を受けることが出来ないこと、予約が取りにくいこと、待ち時間が長いといったデメリットもあります。
こうしたことから、医療をNHSだけに頼るということはおすすめ出来ません。留学前に、必ず海外旅行保険には加入していくようにしましょう。

英国各地の訛りを映画で学ぶ

スコットランドはエジンバラの若者にスポットを当てた映画「トレインスポッティング」の続編が、2017年4月に日本でも公開になります。初作が発表された20年前から何度も見直して、スコティッシュ・アクセントを聞き取れるようになった人もいるのではないでしょうか。

北アイルランド、ウェールズ、スコットランド、そしてイングランドでも地域によって全く違うそれぞれの英語のアクセントに誇りを持つ英国の人は、別の都市に引越しても、周りの人に合わせて訛りを変えたり隠したりはしません。

話し方はアイデンティティを表すひとつの手段だからです。そのような人たちが自分の地元を舞台にした映画を見れば、俳優の下手なアクセントには文句を言い、上手な人には「なかなか良い」と控えめな賞賛を送ります。

イギリスで暮らすようになれば、アメリカ人の話す英語に違和感を覚えるようになるかもしれません。また、自分の過ごした地域のアクセントには愛着が湧いてくるでしょう。

留学が決まったら、向かう先のアクセントに慣れておくと良いかもしれません。語学学校の先生はある程度スタンダードなアクセントで話してくれると思いますが、特に独特の訛りがあるエリアでは、スーパーマーケットやパブで地元の人との会話を楽しむには、やはりアクセントの習得がかなり役に立ちます。

留学前でも留学中でも、また日本に帰った後で現地の生活を懐かしむうえでも、住民の話し方や街の雰囲気を忠実に再現したイギリス映画が便利になりますので、各地の訛りが顕著な映画をいくつかご紹介します。

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スコットランド/エジンバラ

スコットランドの首都エジンバラが舞台の「トレインスポッティング」の主な出演者のうち、ジョニー・リー・ミラー以外は全員スコットランド人でしたが、アクセントの指導者を付けずに撮影に挑んだミラーを、全撮影終了後にロンドンのアクセントで話し出すまでスコットランド人だと思っていた共演者もいたそうです。

共演者に気付かれないというのはかなりの腕前だと思いますが、新作ではもっと上を目指してコーチの指導を受けたというミラーのスコットランド訛りは、現地に暮らさない外国人には完璧に聞こえることでしょう。

ボキャブラリーの違いはいちいち克服するしかありませんが、母音の強調や「シュ」に近い「S」、イングランドでは飛ばされる「R」の巻き舌気味発音(舌を上顎に触れる)など、ちょっとしたパターンの習得で、耳が慣れて理解力が上がるかもしれません。

スコットランド/グラスゴー

さて「トレインスポッティング」でいわゆる「スコティッシュ・アクセント」の聞き取りに自信が付いたところで、最大の都市グラスゴーのアクセント、グラズウィジァン(Glaswegian)に触れてみてはいかがでしょう。

筆者はスカーレット・ヨハンソン主演の「アンダー・ザ・スキン(Under The Skin)」、ケン・ローチ監督の「スウィート・シックスティーン(Sweet Sixteen)」といった映画を見ましたが、特に後者は一緒に見たイングランド人も、耳にしてから数秒後に意味がわかったり(単語が違うのではなく、発音が違うため気がつくのに時差があるようです)何度か再生を中断して聞き直さなければならなかったりと、なかなか苦戦していたようです。

ほとんど同じ緯度を西に向かっただけでエジンバラの「トレインスポッティング」がとてもわかり易く思えることから、スコットランドの訛りを「スコティッシュ・アクセント」とひとつにまとめることはできないのだなと感じます。

イングランド北部

ジョーディ(Geordie)と言われる北東部ニューカッスルのアクセントが聞けるのは「リトル・ダンサー(Billy Elliot)」。スコットランドに近いので、発音が割りと似ているようです。

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北西部、リバプールやマンチェスターのスカウス(scouse)系は、フットボール・マンUファンならチェック済みかもしれない「リトル・ストライカー(There’s Only One Jimmy Grimble)」の他、音楽系のドキュメンタリー映画が手に入りやすいでしょう。

リバプール出身のザ・ビートルズは、バンド時代初期は皆純粋なスカウス(北西部訛り)を話していましたし、2002年の「24 Hour Party People」、2007年の「Control」といったマンチェスター周辺の音楽シーンを追ったドキュメンタリーや伝記的作品は、文字に起こされたミュージシャンの口調では伝わらない、飾らない話し方を聞くことができます。

ヨークシャー~イングランド中部

ヨークシャー、イースト・ミッドランズのタイク(tyke)は、シェフィールドをベースにしたブラック・コメディ「フォー・ライオンズ(Four Lions)」の他、1997年の「フル・モンティ(The Full Monty)」で、生活保護受給のための行列など現地の人が「ああこれがヨークシャーだわ」と残念そうに納得するヨークシャーの空気感を体験できるでしょう。「ザ・ブラザーズ・グリムズビー(Grimsby)」はアメリカ人のサーシャ・バロン・コーエンが主演ですが、得意な訛りのスキルを披露しています。

また、イギリスの歴史を感じさせるビジュアルが好きだけれど「プライドと偏見(Pride & Prejudice)」のように、カチコチの容認発音=RP(こちらのページ参照)に溢れていないものを見たい人は、「嵐が丘(Withering Heights)」の2011年のリメイク版がお薦めです。

ロンドン

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イギリス南部は、北部よりもいわゆる「標準語」に近い形で聞こえるでしょう。

アメリカのドラマなどでイギリス人キャラクターが登場すると、だいたいBBC発音(BBCのブロードキャスターのアクセント)で「イギリス人ぽさ」を強調するようですが、BBCも現在では様々なアクセントのキャスターを採用しています。

映画界で特にポートレイトされるのは、ロンドン(特に東部)のアクセントでしょうか。

筆者はロンドンでしか暮らしたことがありませんが、ウェストロンドンからイーストに引越して最初は戸惑いました。

東ロンドンの有名なコックニーアクセントについて調べると、韻を踏んだ別の言葉を使う独特のボキャブラリーについての情報はよくあるものの、それをいくつか覚えたところで、実際には隠語のようなコックニーの言葉遣いをする人はほとんどいません。

その代わり、単純に発音が違うことに惑わされるのです。例えば家に来たプラマー(配管工)やお隣さんの挨拶(らしきもの)など、分かるはずのことが聞き取れない、といった具合です。

イーストロンドンの人と話すと、「T」を抜かしてスタッカートにする、単語の初まりの「H」を発音しない、「エイ」を期待するところが「アイ」に近くなる、「TH」を「F」または「V」と発音する、といった特長に気付くでしょう。例えば「water」が「ウォ・アー」に、「hungry」が「アングリー」に、「Spain」が「スパイン」に、「together」が「トゥギャヴァー」、「teeth」が「ティーフ」といった具合です。

そもそも同じ言葉で発音が違うだけのはずなのですが、ツイッターなどインターネットで人々が気軽に話し言葉でタイピングする時代になってからは、実際に「F」「V」で綴られているのをよく目にします。

またはニュースのヘッドラインなどで、イーストロンドン出身のセレブリティの発言を書き記した場合などにも、わざと発音された通りに表記することもあります。

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コックニーアクセントを聞くことができる映画と言えば、1968年の「オリバー!(Oliver!)」、1979年の「さらば青春の光(Quadrophenia)」などがよく知られていますが、特に「マイ・フェア・レディ(My Fair Lady)」では、ガサツなコックニーが上品なRP(容認発音)へと再構築されるストーリーですので、コックニーの特徴がかなり強調されています。

中でも「The rain in Spain stays mainly in the plain」を「ザ・ライン・イン・スパイン・スタイズ・マインリー・イン・ディ・プライン」と発音するシーンは、コックニー訛りを表す映画のセリフとして有名です。一緒に発音しながら違いを確かめることができるでしょう。

現代の作品にもイーストロンドンを見ることができる作品が数多くあります。

ガイ・リッチー監督の出世作となった1998年の「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ(Lock, Stock and Two Smoking Barrels)」は、イースト・ロンドンの人々の他、少々お上品で極悪になりきれないロンドナー、呑気なイギリス北部の人々なども描写されています。

また同監督の「スナッチ(Snatch)」は、ブラット・ピット演じるパイキー(アイルランドのジプシー)の強烈なアクセント、アメリカ人、ロシア人も登場します。様々なアクセントに慣れてきたら、話し方で人の雰囲気やキャラクターを掴めるようになるかもしれません。

ジュード・ロウの他、ジョニー・リー・ミラーを筆頭にアメリカ版シャーロック・ホームズ「エレメンタリー」の俳優が多く出演する「ロンドン・ドッグス(Love, Honor & Obey)」は、イーストロンドン出身ではない役者が本物のコックニーでないことがバレる瞬間が時々あるものの、サウス・イーストとノース・イースト(テムズ川を挟んだ北と南)の雰囲気や人々の適当さがよく表されています。

ウェールズ

ウェールズについて、筆者はまだ地域ごとのアクセントを追いきれていないのですが、ロンドン出身のヒュー・グラントがウェルシュに挑戦していなくて安心な「ウェールズの山(The Englishman Who Went Up a Hill But Came Down a Mountain)」や、南西部のスワンジーを舞台にした2010年の「サブマリン(Submarine)」で、独特のアクセントを聞くことができます。

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北アイルランド

総じてザ・トラブル(The Trouble)と呼ばれる北アイルランドの紛争を扱うもの以外では、2013年に始まった「The Fall」というTVシリーズが、北アイルランドのベルファストを舞台にしています。メインキャラクターはロンドンから送られた捜査官ですので、アクセントの聞き比べができるでしょう。

日本で字幕付きが手に入りやすい有名なものから、イギリスに来て英語で聞けるようになればこっちのもの、という難易度の高いものまでありますが、最初は字幕付きで、慣れてきたら耳を使うようにして、またイギリス人の友人ができたら映画を一緒に見て、わからないところを教えてもらうといいかもしれません。

アクセントだけでなく、話し方から伝わる人々のキャラクターの違いも楽しんでみてください。

渡航の荷物と現地で入手するもの

ビザがおりて留学が決定し、渡航日が決まって荷造りをするのは、楽しい反面悩ましい部分もあるでしょう。

何をどこまで持っていくかといった経験者の情報はインターネットに溢れていますが、会社が費用を負担してくれる駐在員と違い、自費で全てを賄う留学生の場合は荷物を極力減らしていく方向になるので、不安との戦いです。

そこで、到着早々手元にあれば便利なもの、落ち着いたら(または必要であれば到着翌日にでも)必要なものを購入しに行ける場所などをご紹介します。

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まず、スーツケースに詰める必要最低限は衣料品に医薬品、歯ブラシやシャンプーなど衛生用品などが基本でしょう。

預け入れ荷物の紛失の可能性があるので、手荷物に数日分は入れておくというのは旅慣れた人であれば習慣になっているかもしれませんが、遠く離れたイギリスとて、日本と同じく現代人が暮らす島であります。

とりあえず入国することができれば、街には人が生きるに必要なものが何でも見つかるはずですし、万が一の場合にはほとんど全て空港で手に入るでしょう。

滞在する場所にもよりますが、基本的には体にあった衣料・医薬品以外はほとんど現地で入手可能だと思って良いでしょう。歯磨き粉からポケットティッシュにウェットティッシュ、除菌ジェルもあります。ただ、歯ブラシは巨大です。

特にボディソープやシャンプーなどは、日本から持ってきた製品はイギリスの硬水では溶け切らず、長く使い続けると排水管が詰まってしまうという話も聞きますので、日本で使い慣れたものを少しだけ持参して、現地で使われているもので新たにお気に入りを見つけるのが良いかもしれません。

どんなに小さいスーパーマーケットにも、少なくとも日本のコンビニエンスストア程の衛生用品コーナーが見つかるでしょうし、駅の周りやハイストリート(商店街=エリアのメインストリート)にはBoots、Superdrugといったドラッグストアが、そしてスーパーでもオーガニック化粧品を扱っている店舗さえあります。

まずは旅行用の小さなアイテムを購入して、肌に合うか試してみると良いかもしれませんね。

到着して数日はホテルに泊まったりすぐにホームステイ先に向かうという人は、ドライヤーやタオルには困らないとは思いますが、すぐにシェアフラットや事前に決めておいた物件に入居するという人は、日本から柔らかいタオルや海外で使えるドライヤー(日本は100ボルト/イギリスは240ボルト)を持ってくるのもありでしょう。

タオルはイギリスの硬水で洗濯しているうちにもれなくゴワゴワになりますが、日本のふわふわ感の未練を味わうという点と、イギリスのバスタオルのサイズがかなり大きくて手強いという点から、荷物に余裕があれば持参はアリだと思います。

電化製品は日本製には敵わないとはよく言われる話ですが、ドライヤーはこちらの製品の強力な風圧に慣れてしまうと、海外兼用の旅行用では物足りないと感じるかもしれません。

変電圧器も持参して、日本のよくできた炊飯器やホットプレートを使いこなす人もいるようですが、期間と予算限定の留学の場合はこちらで安く購入するので十分生きていくことができるでしょう。

コンピュータの電源は、アダプターを確認して「100v-240v」と書いてあれば変電圧器を通さずにそのまま使えます。

プラグだけ、日本のAタイプからイギリスの四角い三本足のBFタイプに変換するものを日本またはこちらで購入しましょう。電子辞書などに必要な乾電池もこちらで揃います。

電池の規格は世界共通で、名前(単1はD、単2はC、単3はAA=ダブルA、単4はAAA=トリプルA、四角いものは9v=ナインボルト)が違うだけですし、ボタン型の規格名(CR2032など)は一緒です。100円ショップならぬパウンドショップもありますよ。

何でも手に入る百貨店(John LewisやHouse of Fraser、Debenhamsなど)は便利ですが、少々お値段が張ります。

そこで、電化製品から食器、枕、はたまた家庭用トランポリンまで何でもそろうArgosというお店は便利です。通販もできますが、お店に行って(またはオンラインで在庫をチェックして)カタログから商品番号を探して、その場で持ち帰ることもできます。

日本より配達はのんびりしていますがアマゾンももちろんあります。

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とりあえずの荷物に日本食を入れて来たい人もいるかもしれませんが、EU圏外から肉製品(肉エキス入りのカップラーメンなども含まれます)や乳製品を持ち込み、輸送することは禁止されていますので注意が必要です。

こちらの記事でご紹介しましたが、普通のスーパーマーケットにカップラーメンやその他日本食を見つけることもありますし(普通のスーパーで出前一丁や日本のカレーのルウ、カップヌードルなど見かけます)、日本食材を扱うお店もありますので、和食材をマストアイテムには数えない渡航を目指すのが吉ではないでしょうか。

どうしても持ち込みたい場合や日本から送ってもらう時にはこちらのページで最新情報を確認してください。

文房具や衣料品も、無印良品やユニクロが至る所にあることを考えれば(近所になくてもイギリス国内でオンラインで買えます)日本から持ってくる必要があるものなどないのでは、という気になってきます。

洋服のサイズは、日本のブランドでも日本でMならこちらではSかXSくらいで、品揃えが少ないという難点はあるものの、ヨーロッパの関税がない分、日本では高かったブランドが安く手に入るという利点もあります。

筆者がどうしても日本から持ってくるものは、食品ラップ(クリングフィルムと呼ばれます)とトイレの便座カバーぐらいです。

便座カバーは、日本ではトイレタリーも販売している前述の日本のブランドでもイギリス店舗では扱いがないからです。温便座がない冬のイギリスで、臀部に日本のぬくもりを感じます。

また食品ラップは、普段ラップ同士ヘタっとくっつくのにお皿にはくっつかない英国製クリングフィルムを使っているイギリス人へのお土産として渡しても喜ばれます。

日本から到着して日本食材スーパーに行くまで時間がかかる場合には、菜箸があれば便利かもしれません。

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日本のように手土産の習慣がないイギリスでは、日本から来たからといっていきなり何かを渡す必要はないと言えるでしょう。

「日本の土産」として誰からも喜ばれるもの、イギリスには売っていないものを見つけるのが難しいということもあります。それよりも、親しくなってからその人のために選んだ贈り物の方が理にかなっているかもしれません。

そういう時のサンキューカードや、誕生日やクリスマスのカードが日本ぽいものであれば、誰もが目にする可能性のあるお店で際立つものを探すよりも粋な気がするので、日本から持ってくるのも良いと思います。

無駄なく、不足なく荷造りして、現地のものを楽しんで体験しながら、心地よいイギリス生活ができますように。

航空券に関して

留学の費用の少なくない部分を占めるのが、「航空券」です。 特に日本からヨーロッパまでは、サーチャージなどの費用を含めると、総額10万円以上はかかりますので、躊躇される方もいらっしゃるかもしれません。 しかし、ロンドンは需要が高い都市になりますので、毎日のように直行便が飛んでおり、とても便利です。2014年時点で直行便を就航している航空会社は、下記のようになっております。

 ブリティッシュエアウェイズ  成田から毎日1便、羽田から週5便(火~金)
 日本航空  成田から毎日1便
 全日空空輸  成田から毎日1便

日本からロンドン・ヒースロー空港までの距離は約9,615kmあり、飛行時間はおよそ12時間から13時間くらいです。 ブリティッシュエアウェイズは、イギリス各地へのアクセスも充実していますので、ロンドン以外の都市への乗り継ぎもしやすいです。 こうした直行便は乗り継ぎがないので、お金が高くなっても時間を節約されたい方や、機内でゆっくりされたい方におすすめです。 もし時間と手間がかかっても、費用を抑えたいということでしたら、乗り継ぎ便となります。乗り継ぎ便の種類としましては、ヨーロッパ乗り継ぎ、アジア・中東乗り継ぎがございます。ルートとしましては、まずその航空会社の拠点となる空港に行き、そこでイギリス行の便に乗り換えます。 下記にサンプルとしまして、いくつかパターンを記載いたします。

(アジア経由) 大韓航空    成田→ソウル→ロンドン 所要時間はおよそ16時間30分
 (ヨーロッパ経由) フィンランド航空  成田→ヘルシンキ→ロンドン 所要時間およそ14時間30分
 (西洋とアジアの中間)ターキッシュエアラインズ  成田→イスタンブール→ロンドン 所要時間およそ18時間20分
 (中東経由) エディハド航空 成田→アブダビ→ロンドン 所要時間およそ23時間 

こうした乗り継ぎ便は、追加料金なしでストップオーバー出来ることも多いです。
ですので、乗り継ぎ時間が長い時は一旦空港の外に出て、数時間アジアや中東の国での観光を楽しむ。ということも出来ます。体力のある方は、乗り継ぎ地を観光するというのも楽しいかもしれません。

祝日カレンダー

アメリカやカナダでは、祝日のことは、Public Holiday(パブリックホリデー)と言いますが、イギリスでは、Bank Holiday(バンクホリデー)と呼ばれています。

Bank(銀行)をはじめ、多くのビジネスが休みとなることからこのように呼ばれるようになりました。たいていは月曜日に設定されており、毎年同じ日が休みとなるわけではありません。 また、祝祭日は、イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドの政府により、異なります。

イングランド、ウェールズの祝日2015

  • 1月1日(木)New Year’s Day (元旦)
  • 4月3日(金)Good Friday ※1
  • 4月6日(月)Easter Monday ※2
  • 5月4日(月)Early May bank holiday メーデー、労働者の日
  • 5月25日(月)Spring bank holiday 春の一般公休日
  • 8月31日(月)Summer bank holiday 夏の一般公休日
  • 12月25日(金)Christmas Day クリスマス
  • 12月28日(月)Boxing Day (substitute day) ※3

スコットランドの祝日2015

  • 1月1日(木)New Year’s Day (元旦)
  • 1月2日(金)2nd January
  • 4月3日(金)Good Friday
  • 5月4日(月)Early May bank holiday メーデー、労働者の日
  • 5月25日(月)Spring bank holiday 春の一般公休日
  • 8月3日(月)Summer bank holiday 夏の一般公休日
  • 11月30日(月)St Andrew’s Day スコットランドの祝日
  • 12月25日(金)Christmas Day クリスマス
  • 12月28日(月)Boxing Day (substitute day) 

北アイルランドの祝日2015

  • 1月1日(木)New Year’s Day (元旦)
  • 3月17日(火)St Patrick’s Day ※4
  • 4月3日(金)Good Friday 
  • 4月6日(月)Easter Monday
  • 5月4日(月)Early May bank holiday メーデー、労働者の日
  • 5月25日(月)Spring bank holiday 春の一般公休日
  • 7月13日(月)Battle of the Boyne (Orangemen’s Day) (substitute day) ※5
  • 8月31日(月)Summer bank holiday 
  • 12月25日(金)Christmas Day クリスマス
  • 12月28日(月)Boxing Day (substitute day) 

※1 Good Friday イースター(復活祭)の4連休の始まり。イエスキリストが十字架にかけられた受難の日から復活までを祝う。 イースターは春分の後の最初の満月の後の日曜日と設定されており、Good Fridayはその直前の金曜日。

※2 Easter Monday 復活祭の翌日の月曜日 

※3 Boxing Day キリストの誕生を祝う日もともとは、その昔、Servants(使用人)達は、クリスマス(25日)に働いて、 その翌日に雇い主よりねぎらいの贈物箱(ボックス)を贈られたことからこのような名がつく。 クリスマスとボクシングデーが週末の場合は、振替休日となる。

※4 St Patrick's Day アイルランドの守護聖人パトリックを祝う日

※5 Battle of the Boyne(Orangemen's Day) 1690年のボイン川の戦いで、オレンジ公ウィリアム(プロテスタント系)が勝利したことを祝う日。

イギリス留学の魅力

ブリティッシュイングリッシュ

英語はその名の通り、英国(イギリス)の言語です。現在、世界中で英語が共通語のようになっており、英語が母国語の国もたくさんあります。しかし、元々はイギリスからの移民が各国へ移住したことから世界に広まったのです。
本物の伝統的な英語を学びたい、ということであれば、迷うことなく行き先は「イギリス」となるでしょう。
また、その逆ともいえるのですが、イギリス、特にロンドンでは、道を歩いていると様々な言語が聞こえてきます。共通言語の英語はインド訛りだったり、フランス語訛りだったりします。グローバル企業や外資系企業では、英語が母国語ではない者同士でコミュニケーションをとることが多いです。純粋な英語の勉強も大切ですが、色々なタイプの英語を理解できるようになるのも実はとても重要なことなのです。こうした側面からも、イギリスは最適な留学先といえるのではないでしょうか。

国籍バランス

オーストラリアやカナダの語学学校に行くと、クラスに日本人がたくさんいて、ついつい日本語を話してしまい、英語を勉強しに来たのにいつの間にか日本語での生活になってしまった、というような話をよく耳にします。
イギリスは、ロンドンだけでも100以上の語学学校が存在するため、基本的にはどこの学校に行っても、日本人学生比率は10%未満です。また、クラスによっては日本人が自分1人だけ、ということも結構あります。ですので、日本語が使えなくて大変なこともあるかもしれませんが、英語力アップには最高の環境です。
また、留学生はアジアよりも、ヨーロッパや中東からの方が多い為、多国籍の友達がほしい!と思っている方にはまさにぴったりの留学先といえるでしょう。

歴史的な建物と観光

イギリスには世界的にも有名な大学がたくさんあります。オックスフォード大学やケンブリッジ大学は誰もが憧れる、優秀な人材を輩出する学校です。英語教育のノウハウや教授法もイギリスから世界に広まりました。
また、オックスフォード大学は現存する大学の中では、世界で3番目に古く、英語圏では最古の大学です。オックスフォード市内にあるカレッジは、今でも中世の荘厳な雰囲気が漂い、建物自体も非常に貴重な文化財となっています。
イギリスでは、ゴシック様式やヴィクトリア様式の美しい建築物が至る所で見られます。わざわざ博物館に行かなくとも、街全体が博物館のような雰囲気がありますので、歩いているだけで楽しむことが出来ます。
また、スコットランドの方に行くと息を呑むような湖、山々、海岸が広がっています。公共交通機関が発達しているので、留学生も不便なく旅行を楽しむことが出来ます。ユーロスターやLCCもあるので、周辺のヨーロッパ諸国へのアクセスも抜群です。

4つのカントリー

イギリスは4つの非独立国であるイングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドより構成されています。それぞれのカントリーは首都を持ち、ロンドン(イングランド)、エディンバラ(スコットランド)、カーディフ(ウェールズ)、ベルファスト(北アイルランド)となっています。
それぞれがアイデンティティを大切にし、独自の伝統と文化を持っています。地域によって環境も、人々の雰囲気も、建物の感じも、そして言語も異なります。語学学校では、複数の都市にキャンパスがあるところもありますので、期間を分けて数か所に留学するというのも可能です。

イギリス人の国民性

イギリス人には、日本人と共通する国民性があります。マナーを重んじ、初対面の人に対しては適当な距離を保ちます。反対方向から歩いてきた人に微笑みかけて、Hiと挨拶するようなことはあまりありません。ですが、一旦親しくなり、信頼関係が生まれれば誠意を持って接してくれます。
また、ロンドンのような国際都市では移民が多い為、外国人に対して違和感を持ちません。ですので、外国人も差別されることがなく、暮らしやすい都市といえます。
反対に、田舎の外国人があまり行かないような地域では、好奇の目にさらされることもあるかもしれませんが、人々は穏やかで優しく、困っていたら助けてくれる親切な人が多いです。また、家の中では靴を脱ぐという家庭が多いですし、プライバシーを大切にして、あまり人に迷惑を掛けないようにするのがマナーとされていますので、日本人にとっては受け入れやすい文化であるといえるでしょう。